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2009じゃ終わらない ジャストに聞くATOKの進化

2009年07月16日 12時00分更新

文● 宮坂琢磨、広田稔/ASCII.jp編集部

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ATOKはまだまだ賢くなる

── 日本語入力システムは、長年開発され続けていて、ユーザーからは「もうアップデートする要素はないのでは?」と思われているところもあると思います。開発者の視点で最終的に目指す日本語入力システムとはどのようなものでしょうか。

竹原:日本語入力システムの賢さは、ハードウェアの進化と密接に関わっています。膨大な計算から得たデータから、最適なものをすばやく提示する、ということが「賢くなる」ということですから。

 ATOKは2007年から「ハイブリッドコア」という変換エンジンを導入しました。これは弊社で自然言語を研究するチームからフィードバックを受けて、従来の変換エンジンと合わせて作りましたが、今ではさらに新しい技術を導入できるようになりました。ですから今後も変換精度は向上できるだろうと思っています。

 ただ、変換精度とひと口にいっても、現状で普通に入力しても90%以上の再現率で、ほぼ誤変換なく入力できる時代なんです。ただ、実際に作っている側としては、完成したという印象ではない。まだまだやるべきことはあると思っています。

 特にMacやiPhoneを見て感じますが、今後、入力デバイスの進化も鍵になってくると思います。現状はキーボード入力が前提のATOKですが、別のデバイスにも対応していきたい。マルチタッチや音声入力などの技術を取り入れて、進化していくと思います。


── 進化し続けているということは、やっぱりバージョンが新しければ新しいほど、より便利になっているということですか?

竹原:入力支援の機能もどんどん追加されていますし、辞書自体が古くなると、入力したい言葉に到達するまでに時間がかかってしまうでしょう。語彙も当然増えてますので、常に最新を使っていただいたほうが便利だと思います。常に最新を使っていただくには、定額制がお勧めですね(笑)。


個人に合わせた日本語入力も提供したい

── 時代に合わせて辞書を設定されていると言われていましたが、逆に一人一人のユーザーに合わせた辞書というのは考えてますか?

竹原:数年前から、開発方針の一つとして「人+ATOK」というキーワードがあります。その人のユーザープロファイルをより生かしたATOKに進化していきたいと思っています。


── ネットでもユーザー個人の属性に合わせて表示される内容を差し替える「行動ターゲティング広告」があります。「人+ATOK」もネット連動で蓄積した情報を辞書に反映させていくということですか?

竹原:われわれは「ネットの手前にATOKがいる」と考えています。ネットで調べる前に、ATOKでその言葉の情報を取得できるようにする。

 そうすることで、ネットにつながない場面でもいろいろな最適化が実現できる。最も人に近いところにATOKがいるわけです。そのコンセプトを活かしていきたい。ただ、優先順位は高いのですが、まだ具体的なところまでは落とし込めていません。


── ほかに日本語入力ソフトの可能性を追求したいと考えている部分はありますか?

竹原:ここ数年力を入れている「ATOKダイレクト」という機能ですね(関連リンク)。プラグインを追加することで、外部のアプリケーションやネットサービスなどとATOKが連動できるようになります。このATOKダイレクトで、ネットを使ってATOKが便利になる機能を突き詰めていきたいと思います。


── 具体的にはどのようなことですか。

竹原:例えばの話ですが、最近、私はミニブログの「Twitter」にハマっています。このTwitterでささやかれた「つぶやき」を反映して、ATOKの辞書を育てていけないかという話ですね。

── ネット系のサービスと連携を目指していくということでしょうか。

竹原:そうですね。以前行なった、ATOKダイレクトとはてなの連携もそうですが、ネット上で見られるさまざまな言葉の入力活動のサポートを目指したものです。

ATOK 2009 for Mac

はてなとの連動例。「はてなキーワード」のデータを参照して、ATOK上から用語を調べられる。Mac版では、2008からATOKダイレクトをサポートした

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