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ここがスゴいぞっ! iLife ’09 第12回

Macでビデオ編集 知っておきたい6つの疑問

2009年07月14日 17時00分更新

文● 小原裕太

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その5:ビデオ編集にはどんなMacが必要?

 「だってビデオ編集は高ーいMacが必要なんでしょ?」

 確かにビデオ編集をするには、CPUやビデオカードが高性能なマシンを用意したほうが快適なのは間違いない。ただ、ここ数年で発売されたMacであれば、すべてCPUが「Core 2 Duo」以上なので、処理速度的に不足はないだろう。

 注意したいのはHDDの容量だ。フルハイビジョンのビデオを扱うならなおさら大容量のHDDを用意しておかないと、ハッキリ言ってお話にならない。

 ビデオ編集ソフトにiMovieを使う場合、ビデオカメラから素材を取り込む際に、自動的に編集に適した形式「Apple Intermediate Codec(AIC)」に自動変換されるのだが、AVCHDやH.264の元素材に対し、AIC変換後は約6〜10倍のファイルサイズになってしまうためだ。

 AVCHDやH.264は映像を圧縮(フレーム間圧縮)することでファイルサイズを抑えているが、AICやMotion JPEGは非圧縮形式だ。非圧縮形式にしておけば圧縮形式に比べてファイルサイズは増えるが、再生/編集時のCPU負荷が軽いため、iMovieでの軽快な編集が実現できるというわけだ。

 ノート型Macなど、内蔵HDD容量が心許ない機種では、10分程度のビデオを取り込むだけでひとたまりもない。できれば、高速な外付けHDDを用意し、そこにビデオを保管するようにしておきたい。

ビデオの取り込み時に、取り込み先を選択できる。iMovieで取り込んだビデオは「イベント」と呼ぶ。イベントは外付けHDDなどで管理し、イベントを編集したもの(プロジェクト)は起動ディスクで管理するのがスマートだ

iMovie '09では、AVCHDビデオのバックアップ機能が追加されている。ファイル構造が複雑なAVCHDを取り回しやすくなったうれしい配慮だ。取り込みウィンドウで「すべてアーカイブ」ボタンをクリックすれば、ビデオカメラ内のすべてのビデオがバックアップされる

AVCHDビデオのバックアップから、iMovieのビデオ素材として読み込むには、「ファイル」メニューから「読み込み」→「カメラアーカイブ」を選択する


その6:MacはBlu-rayに対応している?

 答えは「扱える」。ただしハードルは若干高い。

 Macで実行できるのはBlu-rayの作成だけで、再生は不可能だ(デジタル著作権管理のため)。別途ハードとソフトを用意すれば、フルハイビジョンビデオをBlu-rayディスクに焼いて、家庭用Blu-rayプレーヤー、PLAYSTATION 3などで視聴できる。

 まずはドライブが必要だ。アップル純正のBlu-rayドライブはないため、アイ・オー・データ機器の外付けBlu-rayドライブ「BRD-UXP8」などを購入する。

BRD-UXP8

Mac OS X対応の「BRD-UXP8」。価格は4万4500円

 ソフトでは、ソニック・ソルーションズが出しているCD/DVD/Blu-rayライティングソフト「Toast」シリーズのバージョン9か10と、HDプラグインが必要になる。さらに最新のToast 10+HDプラグインの組み合わせでは、従来のDVDディスクに30分程度のフルハイビジョンビデオを収録できる規格「AVCHD DVD」の作成も可能だ。

 いずれの場合でも、ビデオ編集にはiMovieを使えばOK。ただし、フルハイビジョンで残す前提のビデオは、ビデオカメラからiMovieに取り込む際、元のビデオ解像度を維持しておく必要がある点に注意しよう。

Mac対応のCD/DVDライティングソフトの定番「Toast 10 Titanium」(1万7640円)。別途「Toast 10 HD/BD プラグイン」(2625円、ダウンロード販売のみ)をインストールすれば、Blu-rayディスクやAVCHD DVDディスクの作成が可能になる

Blu-rayディスク、AVCHD DVDディスクなど、フルハイビジョンで残すビデオは、iMovieへの取り込み時に「ビデオの最適化」で「最大-元のサイズ」を選択しておく。取り込み時間や編集時の負荷が大きくなるが、それ以外ではDVDサイズ以下になってしまう



 ということで、ビデオ編集に対する疑問は解決しただろうか。要は、「最近のMacを使ってるなら、機材なんて関係なく、ビデオ編集は楽チンだ!」ということ。次回からはiMovieを使い、目的別にビデオ編集方法を紹介していこう。


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