ドルビー・ジャパンの視聴室
一味違う臨場感で映画を楽しめる
今回、ドルビー・ジャパンにお邪魔し、「ジャンヌ・ダルク」の教会のシーンや、「アイ・アム・レジェンド」の街中を車で疾走する冒頭のシーン、そして「U-571」の潜水艦の中の緊迫感溢れるシーンなどで、Dolby ProLogic IIzの効果を確認させて頂いた。
上のスピーカーの高さは厳密には決められていないが、フロントスピーカーから1mほど上にあると効果が得やすいという
まず感じたのは高さというよりもグッと空間が広がるようだということ。特にそれを感じたのがアイ・アム・レジェンドの街中のシーンで、鳥のさえずりのような小さな音の存在感がグッと増し、遠くで鳴いている感覚が増して空間の広がりをもたらしていると感じた。
またジャンヌ・ダルクの教会のシーンを見ると、高い位置にある天井の特に前方から残響音が響いている感覚が強くなり、5.1chとはひと味違う臨場感が再現されていた。こうした空間の広がりを味わえることが、Dolby ProLogic IIzの最大の魅力ではないだろうか。またフロントとサラウンドのつながりが向上し、サラウンド感が向上したと感じたことも付け加えておきたい。
おもしろかったのが、センタースピーカーの位置が若干上方向にずれるような感覚があり、本来の位置よりちょっと上（今回のセッティングではスクリーンの中央やや下あたり）から聞こえてくるような印象を受けたこと。映画館ではセンター／フロントスピーカーがスクリーンの背面に設置されているが、これに少し近づけられるというわけだ。
現状の5.1ch環境をアップグレードしたい人にオススメ
Dolby ProLogic IIzに対応するオンキヨーのAVアンプ「TX-SA607」（右）。希望小売価格は8万4000円
これまで、5.1chからのステップアップというと7.1chへのシフトが考えられたが、冒頭で述べたようにリアスピーカーの配置で断念するケースは多いと思われる。
しかし、Dolby ProLogic IIzの7.1chであれば、設置するのはフロントスピーカーの上であり、天井につり下げるなどの工夫は必要だが、リアスピーカーを配置するよりも障壁は低いのではないだろうか。5.1chからの新たなステップアップ策の1つとして、注目したい技術だ。
