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コスト削減100本ノック 第7回

初期費用も運用費用も併せて軽減!

【7本目】KVMスイッチで保守や移動コストを削減

2009年07月08日 09時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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KVMスイッチによる直接的なコスト削減

 それでは、アナログKVMスイッチによる直接的なコスト削減額を検討しよう。ここでは、NECのラックマウント型サーバ「Express5800/R120a-1」を8台導入する想定だ。そして、それぞれにKVMコンソールを接続する場合と、ぷらっとホームのKVMスイッチ「PShare EX8」を導入した例を考える(写真1)。なお、それぞれの価格は各メーカー純正品の定価である。

ぷらっとホーム「PShare EX8」(写真下)

 まず、それぞれにKVMコンソールを接続する場合だ。サーバ本体は考えず、キーボードとマウス、15インチ液晶ディスプレイを8台ずつ用意すると、合計金額は47万8400円にもなる。1台3万9800円の液晶ディスプレイが8台になると、30万円を超えるのが大きな負担となっている

それぞれにKVMコンソールを接続する場合
項目単価8台分の価格
キーボード1万5000円12万円
マウス5000円4万円
15インチ液晶ディスプレイ3万9800円31万8400円
合計金額5万9800円47万8400円

 一方、KVMスイッチを導入した場合のコストは、合計14万9640円で済んでしまう。KVMスイッチ本体と専用ケーブルのコストはかかるが、液晶ディスプレイが1台で済むのが大きい。

KVMスイッチを利用する場合
項目単価
キーボード1万5000円
マウス5000円
15型液晶ディスプレイ3万9800円
KVMスイッチ5万8000円
専用PS/2ケーブル(8本)3万1840円(3980円×8本)
合計金額14万9640円

 さらに実際には、これに加えてKVMコンソールの設置スペースやその費用も考慮しなければならない。サーバラック内にKVMコンソールを据え付けるには、高さ2Uのドロワー(引き出し)タイプの収納ユニットに格納する方法と、ただの棚板や(本来はお勧めしないが)サーバの筐体上に載せる方法の択一となる。前者の場合、NEC純正の収納ユニットは6万2000円もするので、8セットで約50万円の出費+16Uのスペースが必要になる。後者の場合は、費用は無視できるとしても、サーバ1台あたり7~8Uほどのスペースが必要となり、8セットでフルハイト(44U)のラックを1本以上使ってしまう計算になる。このように、場所のコストを考えてもKVMスイッチを利用すべきとなるだろう。

図2 個別にKVMを接続した場合と、KVMスイッチを導入した場合の費用をサーバの台数ごとに計算

(次ページ、「デジタルKVMスイッチのメリット」)


 

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