暗所撮影がしやすくなった
機能面で見ると、動画撮影(1280×720ドット)が15fpsから30fpsとなったほか、電子式手ぶれ補正が従来は動画撮影時のみだったのに対し、静止画でも使えるようになった。
画像処理によって補正を行なう「Digital SR」機能を搭載し、さらにAF補助光が付いたことによって暗所での実用性が増している。
Digital SRという同社の呼び方は、高感度によるシャッター速度アップにも用いられていてややこしいが、本機では自動感度アップによる撮影と、撮影画像をぶれの方向に合わせて画像処理することで擬似的にぶれを補正することの2つの処理を指している。
これにより、シーンプログラムは「高感度」の代わりに「Digital SR」が加わり、シーン自動認識オートには「キャンドルライト」が追加されて暗所撮影がしやすくなっている。
感度に関しては「ISO 64~6400」といった具合に、最高6400まで自動で感度アップするように設定でき、電子式手ぶれ補正の場合はON/OFFを設定する。ISO感度を低く設定すると電子手ぶれ補正の効果がよく分かり、あきらかにぶれそうな明るさとISO感度でもかなりきちんと撮れる。
背面の操作系も基本的にW60と同様で、ズーム・カーソルのほか最小限のボタン類で構成されている。同社のコンパクト機ではおなじみのアイコン中心のメニューもシンプルで、分かりやすい。
基本的にオートで撮影するコンパクト機ということもあって、露出補正など細かい設定はメニューを押しての操作となる。ただしシーン自動選択により、ほとんど操作なしでも十分きれいに撮れるため、水中での撮影はもちろん、水中以外の場所でも普段持ち歩いて気軽に使うことができる。
水中と言わずに
オールラウンドで使いたい1台
水中での利用可能なタフネスカメラは、いくつかのメーカーが相次いで投入してきており、なかには光学式手ぶれ補正搭載モデルもある。防水ではない一般的なコンパクト機ではかなり小さなモデルでも搭載されるようになってきたため、やはり手ぶれ補正がないと物足りなくなるのは確か。
とはいえ、本機のようなコンパクトさ重視のモデルでは、水中用というよりも普段から持ち歩いての利用のほうが多いはず。そう考えれば、手ぶれ補正は簡易的なものに抑え、サイズや重量の増加よりも耐衝撃性を強化したのは正解だと言えるだろう。
耐衝撃性の向上や高感度撮影のしやすさなど、さらにオールラウンドで使えるデジカメとなったW80。アウトドアはもちろん、日常持ち歩いて気軽に使うデジカメとしてもおススメしたい1台だ。