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サーバトラブル解決のセオリー 第3回

RAIDに頼り過ぎないことが肝心です

ハードディスクのクラッシュに備えよう

2009年07月10日 09時00分更新

文● 堀口幹友/キャンユー

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回復コンソールを試す

 物理的な破損ではなく、サーバがハードディスクから起動しなくなった場合には、試すべき手段がいくつかある。Windowsであれば、インストールCD/DVDから起動して、回復コンソール(もしくはWindows回復環境)で復旧を試みるのが正攻法だ。

 コマンドプロンプトを起動したら、各種コマンドで復旧を試みる(表3)。ちなみに、選択肢にある「Windows Complete PC復元」とは、前述の「Windows Serverバックアップ」で作成したバックアップから復元する場合に使うことを覚えておこう。

表3 回復コンソールとWindows回復環境で使えるおもなコマンド

LinuxライブCD/DVDの活用

 回復コンソール以外の方法として、LinuxのライブCD/DVDを活用する方法も紹介しよう。ライブCD/DVDとは、CD-ROMやDVD-ROM単体で起動するOSを収めたメディアで、UbuntuKNOPPIXが有名だ(画面4)。

画面4 Ubuntuのファイルブラウザ

 画面をよく見ると、Windows Server 2008をインストールしたハードディスク内が一覧できているのがわかる。単にWindowsが起動できないだけで、ファイルシステムやハードディスク自体に物理的な問題がないのであれば、この状態で必要なデータを外付けハードディスクなどへコピーできる。

ファイルシステムについて

 さて、ハードディスクのクラッシュのうち、物理的な障害を除くと、ファイルシステムの不具合が多いと思われる。そこで、ファイルシステムについて簡単に解説しておこう。

 ハードディスクをフォーマットする際、OSによってその流儀が異なる。WindowsならNTFS、Linuxならext3が標準だが、これがファイルシステムだ。ハードディスクの物理セクタなどを、OSが扱えるように管理している。いずれもジャーナリング機構を備えており、突然の電源オフなどでも、ファイルの整合性を取れるように工夫されている。しかしそのぶん、ファイルシステムの構造が複雑になり、万一の際の復旧がかえって難しくなるという側面がある。

 またWindows VistaやWindows Server 2008では、BitLockerやEFS(Encrypting File System)という暗号化ファイルシステムが使える。これらはハードディスクの盗難対策として有効だが、万一のクラッシュ時には暗号化があだとなって、ファイルが復旧できない恐れがある。したがって、暗号化しない場合と比べ、よりバックアップが重要になることを意識してほしい。

(次ページ、「サルベージを試す」に続く)


 

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