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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」第78回

iPhone 3GSは持つ人がカルチャーを切り開くデバイス

2009年06月30日 16時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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やっと日本のケータイの仲間入り?
SMS/MMSアプリでワカモノ憑依メール

 さて、日本のケータイユーザーがiPhoneを選びやすくなった点は、バッテリーライフの向上だけではない。日本のケータイのコミュニケーションに欠かせない手段であるケータイメールの読み書きに対応した点も大きな一歩だ。

ケータイメールが利用可能に MySoftBankでメールアドレスを取得し「設定」→「SMS/MMS」の「MMSメールアドレス」欄に入力しておくと、SMS/MMSアプリからケータイメールを送受信できる

 これまでのiPhoneは、電話番号でテキストをやりとりできるSMSのみに対応してきた。海外ではこれで十分だったのだが、日本のケータイキャリアはSMSのゲートウェイを相互に開いていないため、ソフトバンクユーザー間でしか使えなかった。

 そのため、ソフトバンクは「@i.softbank.ne.jp」というドメインの「Eメール(i)」をケータイメールアドレスとして用意して、絵文字との相互互換を進め、iPhoneをケータイのコミュニケーションになんとか参加できるようにしていた。

 しかし、iPhone OS 3.0とそれを搭載したiPhone 3GSは、始めからiPhoneでケータイメールが利用できるようになった。SMSアプリがSMS/MMSアプリへと進化し、ケータイメールアドレス(***@softbank.ne.jp)を利用したメールの読み書きが可能になった。

 さらに今も大切に使っている人が多いvodafone.ne.jpドメインのアドレスも引き継げるため、メールアドレスを理由にiPhoneへ乗り換えることをためらっていたケータイユーザーにとっても、ようやく障害がとりのぞかれたのではないだろうか。

 そしてケータイメールで利用できるインターフェイスは、SMSアプリと同様、Mac OS XのiChat風の吹き出し表示だ。基本的に日本のケータイはメールを時系列のみで扱う。一方iPhoneはメールの履歴を相手単位で管理している。

デコレメール1 iPhoneでの見え方
デコレメールを受信すると、名前と受信した画像とテキストの一部が表示されるテキストと添付ファイル1つずつがばらばらの吹き出しで表示される。頭の中でレイアウトし直さないと、相手の意図した意味を汲むのは難しいかも

 SMSの時にも感じていたが、やはり人単位でコミュニケーションを振り返られる方が圧倒的に便利だし、話の文脈をすぐに把握できる。さらにMMSならグループメールも可能であるため、複数人でのチャット的なケータイメールのやりとりを束ねて見ることができる点も優れている。

 またiPhone上でのケータイメールは、吹き出し風のインターフェイスなので、手元では会話が連続的に続いているような錯覚に陥る。ついつい「はい」だとか「了解! ところでランチでもどう?」という、普通のEメールでは書かないような一言ずつのメールを送りがちになる。

 相手は1通ずつの「メール」の体で受信するため、iPhone以外のケータイユーザーとのコミュニケーションでは、そっけないと思われたり、文脈が分からないと言われたり、あるいは返信のタイミングが早くて短い「ワカモノっぽい」と言われるかもしれない。

 さてiPhoneがケータイメールに対応したと言っても、今回は絵文字が使えて、写真が添付できるところまで。装飾付きの デコメール、デコレーションメール、デコレメールは、送信した人の意図通りの結果を得ることはできない。頭の中でレイアウトし直なおせば、なんとなく雰囲気はつかめるかもしれない。

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