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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第51回

「更新が心の支えだった」ヤフオクウォッチ管理人が語る

2009年06月29日 15時00分更新

文● 古田雄介

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「いつブログが終わってもおかしくない」

―― ネタが少ないとのことですが、2006年と現在を比べてみるとどうですか?

 2006年のほうが(ネタが)多かったと思います。それは、僕の目が肥えたとか、以前紹介したネタと被るからピックアップできるものが減ったというわけでなく、客観的に見て、尖った出品物が減ったなと感じます。人をだますような出品物が減っているのは良いことなんですけど、個人的にはもっとぶっ飛んだ出品物がたくさんあると嬉しいなと(笑)

 もう、本当にネタがなくて苦しいんですよ。本当なら毎日1ネタくらいのペースで更新するのが理想なんですが、1日使って情報収集しても1~2個見つかったらラッキーと思えるくらいでして。だから、ブログがいつ終わってもおかしくないです。一応、続けたいですけど。


―― Fさん的に、一番「ぶっ飛んでいた」出品物は何ですか?

 フェラーリのカテゴリに出品された御神輿ですね。堂々と「フェラーリより、速い!」と謳っていて、参加者から「リッター何kmですか?」「時速どれくらい出ますか?」といった質問にも「日本酒3升くらいだと思います」「担ぎ手によって自由自在です」と答えるなど、かなり気合いが入っていたんですよ。2006年の夏頃に見つけたんですが、その頃にはすでにネタ不足を痛感していたので新鮮な喜びがありました。

「フェラーリより、速い」と見出しがつけられた御神輿。エンブレムは中央にある「な組」のプレートという


―― (笑)。Fさんがセレクトする出品物は、そうしたネタモノと匠レベルのハンドメイドモノに大別されますよね。ネタモノのなかには、御神輿みたいなジョーク系と出品者が真性の「ヤバイ人」系、落札者を騙そうとしている詐欺系の3種類の分けられると思います。ただ、その境界は曖昧で、どこまで本気なのか分からないものも多いです。それらを見抜くコツはありますか?

 うーん。普段あまり考えていないですねー。ただ、真性の人は、質問者とのやりとりや、過去の出品物の履歴で何となく見えてくることが多い気がします。ただ、本気の詐欺系の人は強制退会されるから、履歴が見えなくてやっかいですね。

 最近、本気かどうか判断に迷ったのは、モバオクに出品された「20inc4本セット」というタイヤの出品です。本物の車のタイヤを扱うカテゴリに、どう見てもラジコンのタイヤと思える画像が載っていたんですよ。なのに普通に6万円近くで落札されていて驚きました。出品者がジョークで載せたのか、結果どおりに本気で騙そうとしたのか、強制退会になっているので真相は不明のままです。

ラジコンのタイヤを本当のタイヤのカテゴリで出品した「20inc4本セット」。質問コーナーで、出品者は「ラジコンではなく本物」と言い張っていた


―― 面白出品の内容は、オークションサイトによって違いを感じることはありますか?

 ヤフオクとeBayの違いはよく感じますね。両サイトで参加者に受け入れられる「笑える出品」のジャンルに、国民性みたいなものが出ているんですよね。たとえば、eBayには「フライドチキンを食べていたら、骨がマリア様に見えた」と言って、その骨を出品する例などが多いです。あと、自分の皮膚に広告スペースを作って、落札者の指示通りにタトゥーを入れる権利が落札されたりしています。そうした、日本人のツボとはちょっと違う完成を楽しみたいなら、eBayがオススメです。日本的なのはやはりヤフオクですね。

 まあ、個人的には、とにかくネタが欲しいので、どんな方向性であれ、ぶっ飛んでいればどんどん紹介したいですけどね。ヤフオクだけでなく、色々なオークションサイトの整備が進んだことで、ネタが少なくなっていますから……。

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