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全部知りたい! iPhone 3GS & iPhone OS 3.0 第6回

コンパスや音声コントロールなど、魅惑の機能が満載!

これが実機だ! iPhone 3GS、国内最速レビュー【その2】

2009年06月25日 16時00分更新

文● 林信行

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自然な言葉で操作できる音声コントロール

音声コントロール

音声コントロール

 iPhnoe 3GSが採用した新機能のうち、iPhoneを「声」で操作する「音声コントロール」はとても興味深い。もちろん日本語にも対応している。

 ホームボタンをしばらく長押ししていると青いバックグラウンドの画面が現れ、「ポンポン」という軽快な電子音が鳴る。これで音声命令を受け付ける準備が整った。

 画面には、用意されている命令語の一覧(文字)が右から左に流れて表示される。声で命令すればiPhoneが認識して、さらに必要な操作があればユーザーに問いかけてくる。百聞は一見にしかず。まずは動いているところを動画でお見せしよう。


音声コントロールのデモ



 操作できるのは、電話のダイヤルとiPod機能の2つだ。英語では「Call Nobuyuki Hayashi」のように動詞+目的語という語順だが、日本語ではユーザーが自然に命令できるように語順を変えて、「林 信行に電話をかける」といったように、「名前」(目的語)+「電話をかける」(動詞)の組み合わせで指示を出す。

 また、使う語彙もひとつに限られていない。同じ電話をかける操作でも、「林 信行に電話をかける」と「林 信行にダイヤル」のどちらでも大丈夫。「孫正義さんの携帯」などと敬称を付けても認識するようになっている。

音声コントロール

iPodの再生も音声で指示できる

 一方、iPod機能の操作は、再生や一時停止、再生中のアーティスト名と曲名を読み上げ、前後方向への曲送り、アルバム名/プレイリスト名/アーティスト名を指定して曲を再生、シャッフル再生、再生中の曲を元にジーニアスリストを作る──といった具合だ。

 こちらも、表現の揺らぎに対応している。再生については「ミュージックを再生」「再生」「プレイ」「音楽を再生」といった言い方でも動いてくれる。一時停止のときは「とめる」「ストップ」「終了」「キャンセル」も大丈夫。

 曲名を調べたいときにも、「曲名は?」「この曲の名前は?」「誰の曲?」「歌っているのは誰?」「再生中の曲は?」「これは誰の曲?」「どのグループの曲?」で対応してくれる。

 その他、ジーニアス機能の呼び出しなら「似たような曲を再生」か「ジーニアス」、曲送りに関しては「前の曲」「次の曲」に加えて、「前のトラック」「プリービアス・ソング」(previous song)といった言い方でもOKだ。

 音声認識は、認識する言葉が減れば減るほどその精度が上がる。カーナビなどの音声認識で高い精度を実現しているのは、そうした理由からだ。

 iPhone 3GSでも、標準では電話のダイヤルとiPod機能に用途を絞ることで認識する言葉を減らして、認識率の高い音声認識を実現しているが、そこまではほかのメーカーでも思い付くこと。

 しかし、そこからさらにもう1歩踏み込んで、せっかくだから、ユーザーがiPhoneと会話をするように、より自然にその人なりの表現で操作ができるようにと、一度、絞り込んだはずの認識語を、語彙と表現のバリエーションを増やしてバランスを取り直しているところが、なんともアップルらしい。

 そんなアップルの音声認識でも、ひとつだけ残念な点がある。日本語で利用していると、iPod機能の利用で、日本のアーティストや曲名を声で指定するのは簡単だが、英語のアーティスト名や曲名を認識させるのが難しいのだ。

 もっとも洋楽を中心に聞く人でも、英語などを話せるならまったく希望がないわけではない。30ヵ国語の言語に対応するiPhone OS 3.0だが、音声コントロール機能は、そのうち21ヵ国語で使える。しかも言語設定は、メニュー表示と音声コントロールを別々に指定可能だ。

 メニューなどは日本語のiPhoneとして使っておくが、音声コントロールだけは英語で指示するように設定しておけば、英語のプレイリストやアーティスト名、曲名が選びやすくなるかもしれない。

iPhone 3GSでは、メニュー表示と音声コントロールで別々の言語を指定できる

 ちなみに、音声コントロールの入力には、内蔵マイクだけでなく、付属のマイク付きヘッドホンも使える。ヘッドホンの右耳用ケーブルには有線リモコンが付いており、中央の再生/一時停止/電話応答用のボタンを長押しすると「ポンポン」と音が鳴って音声コントロールモードに入る。この状態で命令を口に出せば、わざわざポケットからiPhoneを取り出さなくても操作が可能だ。

 さすがに電車の中で使う勇気のある人はいないだろうが、例えば手がぬれていたりして操作ができないときや、両手が離せないときには、重宝する機能だろう。

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