「Ubuntu」の役割ってなんだろう?
小林:次はUbuntuの役割についてでしょうか。
ミズノ:Ubuntuって、一言でいうとバグ#1への修正パッチでしょ。
やまね:説明しよう! ――バグ#1とは、「Microsoftの市場シェアはあまりにも大きすぎる。これによってオープンソースソフトウェアから受けられる恩恵が制限されている」という、Ubuntuが解決しようとしている目標のことなのだ!――っていうのでいい?(カンニングペーパーを見ながら)(注9)
小林:うーん、バグ#1はデスクトップ寄りの話なので、今のUbuntuを一言でいうものにはなっていない気がします。
あわしろいくや:でも、Windows Serverもとても広く使われていますし、Windows Mobileだってそう。バグ#1の頃よりもMicrosoft製品広がってると思いますけどねぇ。別に敵ってわけでもないですし。
hito:Windowsは敵じゃないけど、力が強すぎて、あまりにも副作用が大きすぎるよね、ってのがバグ#1だと理解してます。
やまね:あと忘れちゃいけないのは、UbuntuはITバブルの遺産なんじゃね? って話?(ベリサイン的意味で。(注10))
ミズノ:かな?
小林:Ubuntuはフリーソフトウェアの集合体で、無料で使えるOSです。最初はデスクトップ用途で広めることが目的だったのですが、その後サーバー版・Netbook向けモバイル版などなど、いろいろなバリエーションが公開されています。
ミズノ:おー、さすがリーダーだ。
小林:で、そうした「フリーソフトウェア」をベースに、できるだけ多くの人に使ってもらえるOSとして広めることを目指している、という感じでしょうか。
あわしろいくや:フリーソフトって言っても、Vectorとかにあるやつとは違いますね。ここで言う「フリー」は「タダ」の「フリーじゃなくて、「自由に使える、自由にプログラムを改造できる」という意味です。改造して自分で使うだけじゃなくて、ライセンス上問題なければ(注11)販売もできますし。
やまね:そうしたものを集めたのが、Debian。で、UbuntuはDebianからいろいろ(言葉は悪いけど)持っていって、使いやすく改造したものを配っている、って感じ。
hito:まぁ、最近はMoblinとかMerとかからもコードを持ってきて作り直してる部分もあるんで、完全にDebian依存ではないんですけどね。それでも全体のものすごく大きな部分をDebianに依存しているのは確かです。
あわしろいくや:いろんなものを集めて作ってるわけですな。ちなみに、Ubuntuの日本語入力はあわしろいくやの提供でお送りしています。
小林:さっきから「語って」が「騙って」に変換されるんですが……。
あわしろいくや:だから、そこでこっちを見ないでください。Anthyのせいじゃありませんよ! ヘンな学習させてるからですよ!
小林:と、結構時間も経ちましたね。一度小休止を入れましょう。
編集S:この連載は隔週連載なので、続きは再来週の掲載です! また見てね~。
(注9)
hito:バグ#1の再現方法。(1)お近くのPCショップに出かけてください。(2)PC売り場や、ソフトウェア売り場に向かってください。(3)ほらMicrosoft製品ばっかりだ! オープンソースソフトウェアはほとんど見かけないよネ! っていう。
瀬尾浩史:ほんとだ!(←秋葉原在住)
あわしろいくや:いや、秋葉原でPCショップに行ってもパーツしか売ってないんでは……。
瀬尾浩史:ヨド○シまでダッシュしましたよ!
ミズノ:これ、ほんとうにHow to Reproduce(再現方法)にこう書いてあるんですよね。バグが解消されると、どのPCショップでもオープンソースなOSが入手できるようになるんじゃないでしょうか。
小林:ちなみに、バグ解決のための主担当者は「マーク・シャトルワース」と書いてあります。
(注10)
やまね:Ubuntuの創設者、兼、支援しているお金持ちであるマーク・シャトルワースが財産を築いたのは、「ITバブルのまっただ中でThawteっていう、SSL証明書を売る会社を売却したから」ですよー。ここ試験に出ますよー。
ミズノ:今ベリサイン傘下?
やまね:そ。
小林:Ubuntuの主要な開発者は、シャトルワースさんが作った、イギリスの「Canonical」という会社の社員さんが多いです。この人達とボランティアの共同作業でUbuntuは開発されています。
hito:次回、詳しい説明が出てきますよ、っと。
(注11)
やまね:ライセンスによっては、配ってもらった人にもさらに同じ自由が!(つまり、その人も自分で改造して売っていい) ということもあるので、ライセンスはきちんと確認してください。
小林:近いうちにライセンスの説明はしたいですね。
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