線画作成#1――顔~髪編
ラフが終わったら、いよいよペン入れ。ただしペン入れといっても、使うツールはまたも鉛筆だ。ペンのサイズは4pt、これもやはりキャンバスサイズによって変更する。まずは顔から描いていく。「sen」のレイヤーセットを作成し、その中に先ほど同様「kao」のレイヤーセットを作成。
Photoshopと違い、SAIが便利なのはビュー(画面)を拡大/回転させながらイラストを描けるところという。Photoshopの場合は「自然と顔を傾けて描いてしまう」のだとか。動画がひたすらぐりぐりと回転していたのはこれが理由だったのか!
描く際は、顔なら顔、目なら目といった、描いている部分を画面全体で表示できるところまで拡大する。ついで、自分が得意とする線を描けるような角度にカンバスを回転させていく。それぞれの部位を描き終えたら、「me」や「hoho」、「mayu」などレイヤーの名称を分かりやすくしておく。
つづいては髪。一口に「髪」といっても1つにまとめるわけではなく、「前髪」や「後ろ髪」、頬の脇にかかった「髪の房」など、かたまった部分でレイヤーを分けていく。こうすることで線が重なっても気にせず作業できるのだ。1つの作業ごとにレイヤーを分けていくというイメージでやっていけばいい。
この段階では、重なってしまっているところもそのままにしておく。レイヤーを分けて作業しているため、線画を描き終わったあとで、柄の全体を見通しながらはみ出たところを消せるためだ。
とはいえ重なっているところが見づらくなってきたら、下のレイヤーを半透明にしてチェックしていく。髪の房など、こまかいところは拡大して描いていく。
長髪の場合、何といっても重要なのは線の流れだ。はみだすことを気にせず、ペンをスッと流した方がきれいな線を描けるという。3回、4回と何度も線を引き直し、いいと思える線をストイックに探していく。線の描き方で対象の有り様を写しとっていく、日本画にも通じる世界だ。
特に長くゆるやかな曲線を引くときには「ペン入れレイヤー」を使うこともある。引いた線をそのままベジェ曲線として調整できるので、きれいな曲線を描けるのだ。ただし上手く使うには慣れが必要で、そこまで多用はしていないという。
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