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9歳の自分が歌った感じ――中島愛さん、メグッポイドを語る

2009年06月25日 16時00分更新

文● 宮坂琢磨

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5ヵ月間、社長1人で音声を聞きまくる

―― だとすると、収録はものすごい時間がかかりますよね?

村上 1日で録り終えました。実質5時間くらいでしょうか? はじめは何度か録りなおさせてもらいましたが、後半はワンテイクで決めていただきました。


―― どの辺りに収録のコツがあるのでしょうか?

中島 「感情をこめないこと」といえばそうなんですけど、やっぱり「中島愛なりのクセ」というのを無意識のうちにつけてしまうんですね。感情表現やヴィブラートよりも、とにかく一音一音を大事に発音するということが大切で、それをつかむのに時間がかかりました。初めての経験ですしね(笑)。

村上 前もって台本を送っているわけではなく、当日その場で「この音程で歌ってください」ですから。

中島 音程を指定されて歌うのは、難しかったです。

中島愛さん独自の「クセ」をいかに生かすかが難しかったという


―― クセをなくすと、中島さんらしさがなくなってしまうのでは?

村上 完全にクセをなくしてしまっては意味がないので、どこまでクセをいれるのか、そのさじ加減が難しいところですね。Gackpoidもそうですが、このシリーズはあえて人間っぽく調整しています。だからできるだけ中島さんの声の特徴を残しつつ、データベース化していこうと考えていました。


―― 12月に収録を終えられて、4月にMegpoidのデータベースが完成されたそうですが、村上さんご自身がずっと調整をされていたんでしょうか?

村上 そうです。VOCALOIDは1人が全て調整しないとできないような仕組みなんですよ。複数人で調整してしまうと、全体の音色にまとまりがなくなってしまう。調整する人間が1人で方向性を定めていなきゃいけない。だから中島さんの音声はすごい回数聞き直してるんですよ、5ヵ月間ずっとですから(笑)。

中島 すいません。私の声を5ヵ月間も……(笑)。

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