エアフローに配慮した機能的でスタイリッシュな筐体が魅力
Z800の特徴はスペックだけではない。筐体の作りにも注目したい。
強固かつメンテナンス性の高さを要求される点を踏まえ、Z800の筐体は新設計されており、内部ではHDDやメモリー増設時にわずらわしいケーブル配線を極力なくし、必要な場合でもマザーボードの下側に隠した機能的かつ斬新なものとなっている。
また、筐体上部にハンドルが付いている点もユニークだ。これは、ワークステーションはプロジェクト単位で設置場所が変わるケースが多く、その移動の際に有効と考えて取り付けられたものだという。通常は本体の上部に張り出す形が多いハンドルだが、Z800では、箱型のフォームファクターにうまく埋め込まれる形でハンドルを取り付け、ラックマウントも可能にしている。本体を机の下から引き出したり、箱から取り出す際にも便利だ。
サイドパネルは、ヘアライン加工が施された高品位なつくり。上部のノブを引き上げるだけで、ドライバーなどの工具を使わずに外せるため、メンテナンスがしやすい。盗難防止用のカギでロックすることもできる。
側板を外すと、マザーボードを覆う上下2つのカバーが見える。これは筐体内部のエアフローを整え、冷却効率の向上に寄与する。これらも工具を使わずに、簡単に外せる。
上部のカバーは、デュアルCPUのエアフローを最適化するために設けられている。カバーを外すと、マザーボードに対して垂直に設置されたCPUクーラーと、メモリーモジュールの上に設けられた2つのファンが現れる。
CPUクーラーは本体のフロント部分から吸気し、背面に排出する。しかし、そのままでは、側面から見て右側のCPUクーラーから排出された熱が、左側のCPUクーラーにも吸い込まれてしまう。そこでカバーを使ってエアフローを分離する。左側のCPUはカバーの吸気口から冷たい空気を吸い込むため、長時間負荷をかけていてもCPUは過熱しない。
一方、下部のカバーは主にマザーボードの拡張スロット部分を覆っている。最近のビデオカードは重量級の設計になっているが、コネクターとブラケット部分だけではなく、カバー側からも支え、しっかりと固定している。コネクター部分に力がかかって故障の原因になることを防ぐためだ。
HDDは専用マウンターを使って側面から抜き差しできる。こちらも工具は不要。「ダイレクトコネクト」というケーブルを使わずに、直接コネクターにはめ込む方式を採用している。このダイレクトコネクト対応ベイは4つ用意されており、SATAとSASのインターフェースどちらにも対応する。
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