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Xeon 5500搭載サーバ&ワークステーション大集合 第16回

Xeon W5580を2基搭載、最高峰WSの実力を試す

2009年06月23日 12時00分更新

文● 石井英男

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エアフローに配慮した機能的でスタイリッシュな筐体が魅力


 Z800の特徴はスペックだけではない。筐体の作りにも注目したい。

 強固かつメンテナンス性の高さを要求される点を踏まえ、Z800の筐体は新設計されており、内部ではHDDやメモリー増設時にわずらわしいケーブル配線を極力なくし、必要な場合でもマザーボードの下側に隠した機能的かつ斬新なものとなっている。

筐体上部には、ハンドルが付いている。箱からの出し入れや移動の際に便利だ

 また、筐体上部にハンドルが付いている点もユニークだ。これは、ワークステーションはプロジェクト単位で設置場所が変わるケースが多く、その移動の際に有効と考えて取り付けられたものだという。通常は本体の上部に張り出す形が多いハンドルだが、Z800では、箱型のフォームファクターにうまく埋め込まれる形でハンドルを取り付け、ラックマウントも可能にしている。本体を机の下から引き出したり、箱から取り出す際にも便利だ。

 サイドパネルは、ヘアライン加工が施された高品位なつくり。上部のノブを引き上げるだけで、ドライバーなどの工具を使わずに外せるため、メンテナンスがしやすい。盗難防止用のカギでロックすることもできる。

Z800のサイドパネルは厚みがあり、剛性感も十分。表面にはヘアライン加工が施されており、高級感を演出している。上部のノブを手前に引くことで簡単に取り外せる

サイドパネルを外したところ。車のボンネットを開いたときのように機能別のエリアを分けている。それぞれのカバーは、緑色の部分を手で持つことで、工具を使わずに外せる

上下のカバーを外したところ。上部にある2つのファンは、その下にある12本のメモリースロットを冷却するためのファンだ。その下にはCPUクーラーが2つ装着されている

 側板を外すと、マザーボードを覆う上下2つのカバーが見える。これは筐体内部のエアフローを整え、冷却効率の向上に寄与する。これらも工具を使わずに、簡単に外せる。

 上部のカバーは、デュアルCPUのエアフローを最適化するために設けられている。カバーを外すと、マザーボードに対して垂直に設置されたCPUクーラーと、メモリーモジュールの上に設けられた2つのファンが現れる。

 CPUクーラーは本体のフロント部分から吸気し、背面に排出する。しかし、そのままでは、側面から見て右側のCPUクーラーから排出された熱が、左側のCPUクーラーにも吸い込まれてしまう。そこでカバーを使ってエアフローを分離する。左側のCPUはカバーの吸気口から冷たい空気を吸い込むため、長時間負荷をかけていてもCPUは過熱しない。

2つのCPUクーラーの間に仕切りがあり、手前のCPUと後ろのCPUのエアフローを分けることで、手前のCPUの熱が後ろのCPUに伝わらないようになっている

上部のカバーの中央部の穴から奥側のCPUに冷たい空気が供給される

 一方、下部のカバーは主にマザーボードの拡張スロット部分を覆っている。最近のビデオカードは重量級の設計になっているが、コネクターとブラケット部分だけではなく、カバー側からも支え、しっかりと固定している。コネクター部分に力がかかって故障の原因になることを防ぐためだ。

HDDは専用マウンターに固定されており、マウンターごと引き出すことで簡単に交換できる。このダイレクトコネクト対応ベイは4つ用意されている

 HDDは専用マウンターを使って側面から抜き差しできる。こちらも工具は不要。「ダイレクトコネクト」というケーブルを使わずに、直接コネクターにはめ込む方式を採用している。このダイレクトコネクト対応ベイは4つ用意されており、SATAとSASのインターフェースどちらにも対応する。

下部のカバー。こちらも側面からエアフローを取り込み、効率よくグラフィックスボードの冷却が行えるように設計されているほか、カードをより強固に固定する役割も持つ

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