デュアル・ストレージでサクサク動く
先述のように、ストレージは16GBのSSDと160GBのHDDを搭載している。初期状態では、利用できるSSDの容量は10GB。これにOSがインストールされているので、空き容量は3.2GBしかない。これはリカバリー用のデータがSSD側に5GB分記録されているためだ。リカバリーデータはHDDのほうに保存してほしかった。
SSD側にアプリケーションをインストールすると、あっというまに容量を消費してしまうので、マイドキュメントフォルダーはHDD上に移動しておく必要があるだろう。デスクトップにも大容量のファイルを置かないようにした方がよい。
SSDを搭載することで、NECでは「OSの起動速度が12%、アプリケーション起動速度を40%短縮」したという。そこで、SSDとHDDの両方で簡単なベンチマークテストをしてみた。ストレージの速度を測る「CrystalDiskMark」(ひよひよ氏、フリーウェア)の結果では、SSDの読み出し速度(512K)は79.18MB/秒と、34.78MB/秒のHDDよりも227%高速になった。確かに効果は出ているようだ。
一方、書き込み速度はほぼ同じか、連続書き込みではSSDがやや遅い結果になった。OSやアプリケーションの起動、大きな写真や動画の読み込みは確かに速くなっている。一方で、ファイルのコピーや頻繁に書き込むアプリケーションの体感速度は、HDDとあまり変わらないだろう。
大容量バッテリーを搭載して実測5時間半動作
今回評価した最上位モデルのBL350シリーズは、標準で6セルタイプの大容量バッテリーを搭載している。そのため、背面に丸くバッテリー部分が飛び出している。重量は標準バッテリーより175g重くなる。
バッテリー駆動時間は、カタログ値で約7.4時間(JEITA測定法1.0による)。実測値で約5.5時間となった。これだけ動作すれば、外出先での作業にも気軽に持ち出せる。そうなると、高速動作のSSDに加えて、たくさんのデータを持ち出せるHDDを搭載しているのが役立つ。
デザインも性能も高い水準
手ごろな価格で死角なし!
そのほかにも、内蔵無線LANが新たにIEEE 802.11n(Draft 2.0)に対応して、Bluetoothもサポートした。辞書ソフトの「デ辞蔵PC」や、動画を加工してYouTubeにアップロードできる「YouCam for NEC」などのソフトをプレインストールしている。
仕様面での制約があるネットブックの中では、快適に操作できるようにデュアル・ストレージを搭載したBL350は要注目の製品と言える。7万円を切る実売価格で手も出しやすく、死角のないネットブックに仕上がっている。
LaVie Light BL350の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Atom N280(1.66GHz) |
メモリー | 1GB |
グラフィックス | Intel 945GSE Expressチップセット内蔵 |
ディスプレー | 10.1型ワイド 1024×600ドット |
ストレージ | SSD 16GB+HDD 160GB |
光学ドライブ | 搭載せず |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n(Draft 2.0)、Bluetooth 2.1 |
サイズ | 幅258×奥行き205.5×高さ27.5~36.9mm |
質量 | 約1.32kg |
バッテリー駆動時間 | 約7.4時間 |
OS | Windows XP Home Edition SP3 |
予想実売価格 | 7万円前後 |
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。Netbookからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートPCは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、PCやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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