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「Excel VBA」でプログラム入門 第3回

Excel VBA実践編――基本構文を知る

2009年06月19日 09時00分更新

文● 矢野まど佳、熊谷よし

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マクロのプログラムが書かれている「VBエディタ」を使いこなせるようになれば、マクロ記録だけでは作れない高度なプログラムが作れるようになります。また、マクロ記録で作ったプログラムを変更して、さらに使いやすいマクロにすることも可能です。ここでは、VBエディタの仕組みを解説します。


○○を××すると書くのが
「オブジェクト・メソッド」構文

 VBAには覚えると便利な基本構文がいくつかあります。そのなかのひとつが「オブジェクト.メソッド」構文です。

オブジェクトとメソッドの関係

【オブジェクトとメソッドの関係】

 オブジェクトとは、英語では「物」を意味しますが、Excelでは操作する対象を指します。たとえば、「ブック」「シート」「セル」などがオブジェクトになります。マクロを書くときには、どのオブジェクトを操作の対象にするのか特定する必要があります。

 オブジェクトの基本の書き方は「オブジェクトの種類("オブジェクトの名前")」または「オブジェクトの種類("オブジェクトの番号")」です。たとえば、「社員」というオブジェクトの「岡田太郎」を特定する場合は、「社員("岡田太郎")」。または社員番号が4806なら「社員(4806)」になります。Excelのオブジェクトもこのように表わします。「セルA1」は「Range("A1")」になります。選択しているセルを操作対象にする場合は「ActiveCell」と書きます。

 メソッドはオブジェクトの動作のことです。オブジェクトとメソッドの間に「.(ピリオド)」を入れて書きます。メソッドは動作そのもの。もしも、動作に種類や方法を付ける場合は、「オブジェクト.メソッド引数:=値」と書き、引数に動作の種類や方法を入れます。たとえば、「社員の岡田太郎が大阪に新幹線で出張する」をVBAの構文で表わすと、「社員("岡田太郎").出張する 行先:="大阪"、交通手段:="新幹線"」となります。

 メソッドはオブジェクトごとに、Excelで操作できる数だけあるので、すべて覚えるのは至難の業です。とはいえ、ほとんどのメソッドはマクロ記録でできるので、そのコードを見ながら覚えておくといいでしょう。


【よく使うメソッド】

Add(アド)
内容:
「Add」は追加するの意味で、ワークシートの追加などに使用するメソッド。新しいシートを追加するには「Worksheets.Add after:=Worksheets("sheet3")」のように記述する。この記述は「新しいシートをSheet3の後に追加」を意味する。
Close(クローズ)
内容:
「Close」は閉じるの意味で、ブックを閉じるときなどに使用する。「Workbook.Close」ならば、開いているブックをすべて閉じる、「Workbook("Book1").Close」ならば、Book1というファイルを閉じる意味になる。
Clear(クリア)
内容:
「Clear」は消去するの意味で、セルやセル範囲に入っている値を消去するメソッド。「Range("A1").Clear」とすると、選択したシートのA1セルに入っている値を消去する。なお、シート全体を消去するには「Delete」メソッドを使う。
Select(セレクト)
内容:
「Select」は選択するの意味で、セル範囲やシートの選択に使用する。たとえば「Range("A1,B2,C3").Select」とすると、A1セル、B2セル、C3セルを選択する。「Worksheets.Select」なら、ブック内のすべてのシートを選択する。

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