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副社長Mayer氏が語るGoogle新機能と今後

2009年06月16日 09時00分更新

文● 企画報道編集部

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Mayer氏

Marissa Mayer氏。土曜日に来日し、アキバ、渋谷を回ったという。会見の日も、早朝築地に行き、大トロを食べたそうだ

 GmailをはじめGoogleで100以上の機能や製品の立ち上げを行ない、Web検索や画像検索、ニュース、ツールバー、Google Desktopなどの検索関連製品管理を統括する、検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当副社長 Marissa Mayer氏が来日し、記者発表を行なった。今回の発表には、媒体記者ばかりではなく、著名ブロガーも参加。渋谷セルリアンタワーに位置するGoogleの会議室は“満員御礼”の状況となっていた。

 Mayer氏の話は、前半は主にWeb上で起こっている変化を説明し、後半は最近リリースされた機能についての紹介という構成。“変化”というのは、やはりWeb上にアップロードされている膨大なコンテンツの数と、その増加速度を指している。

 Web上のコンテンツは、Webページだけではなく、ビデオ、写真、ブログなど、ユーザーが上げたコンテンツが加速度的に増えてきている。それが検索データにも反映されていて、20%の検索データは過去3ヵ月はなかったものだという。つまり、15~20%のコンテンツが、新しく入れ替わっているというわけだ。

 こうなると、課題はそれらWebページ以外のコンテンツをどのように見せていくか? ということになる。また、様々なコンテンツの検索結果を、ユーザーに負担にならないように見せるのも重要だ。その回答が、Universal Serchである。

ユニバーサルサーチ

Universal Serch。「江戸城」を検索し、画像、動画などを織り交ぜてユーザーに提示している

 Mayer氏は、ユーザーは最近“エンゲージ”の要求を高めている、と言う。1分間に約20時間のビデオがアップされ、Picasaには1分間4800枚の写真がアップロードされている。コンテンツがどんどんシェアされ始めている。「こうした世界では、検索というサービスも進化していかないといけない」。いろいろな検索結果を統括的にまとめられるような、“関連性”が重要になってきていて「今までとは違うモデルで結果を出さないといけない」と、Mayer氏は考えている。

Wolfram|Alpha

Wolfram|Alphaで、Japanを検索した結果。ユーザーが知りたいのはWebサイトではなくその中の情報であることを、今更ながら気づかされる

 会見終了後の質疑応答でも少し話題が出たが、ここ最近BingやWolfram|Alphaといった新しい検索サービスが登場してきている。これらについてMayer氏は、「この2ヵ月は非常にエキサイティングな時間。我々のツールだけではなく、新しい考え方をした検索サービスが出てきた。検索はまだまだ新しいこと、創造的なことができるという点を、インダストリ全体が証明している。『検索はいつ頃終わり(最終形)を迎えるのか?』と質問されることがあるが、我々にとってはいつまでも解決される問題ではない。インダストリのトレンドはそれを立証するものだ」と述べている。

 下世話な興味として、Googleはライバル候補をどのように分析しているか、そういう答えを期待したいところだが「競合に対する注意は、(Googleも)事業だからありはするが、最終的にフォーカスしなければいけないのはユーザーで、そういったところで着眼した点が、創造や開発の原動力になる。競合はいるが、ユーザーが何を欲しがっているかが大事」と、Mayer氏はGoogleらしく真っ当で直球の答えを返した。

次ページに続く

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