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4~5割のロボットを無視するAnalyticsの解析方式 (4/6)

2009年06月15日 19時16分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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アクセス解析3方式の比較――Google Analyticsのメリット、デメリット

「アクセス解析ツールのカタログを見ると、『ビーコン型』『サーバーログ型』『パケットキャプチャ型』という解析方式の分類があるのですが、Google Analyticsがロボットを無視することと解析方式には何か関係があるんでしょうか?」――Google Analyticsの解析方式はビーコン型ですが、ビーコン型だからロボットを無視するわけではありません。アクセス解析の3方式について、メリット、デメリットを見ていきましょう。


ビーコン型のアクセス解析ツールの目的:コンバージョン率の計測

 ビーコン型のアクセス解析ツールは、コンバージョン率を計測し、売り上げを増やし、コストを削減する目的に適しています。この場合の「ビーコン」は、交差点に埋め込まれて夜になると点滅する「自発光道路鋲」や、航路を示すために港付近に浮かんでいる「灯浮標」の意味です。サーバー側にクライアント側から情報を通知するために、WebページにJavaScriptを埋め込んだり、WebブラウザーにCookieを送信して、個々のWebブラウザーを識別したりすることを「ビーコン」と呼んでいるのです。なお、ビーコン型は「タグ埋め込み型」という場合もあります。

 Google Analyticsでアクセス解析するには、以下のようなコードを解析対象のWebページに埋め込む必要があります。

最初のscript要素でビーコンプログラムを読み込み、次のscript要素でページが読まれたこととプロファイルID(「UA-99999999-9」の部分)を結びつけ、Google Analyticsのサーバーに通知している

最初のscript要素でビーコンプログラムを読み込み、次のscript要素でページが読まれたこととプロファイルID(「UA-99999999-9」の部分)を結びつけ、Google Analyticsのサーバーに通知している


 GoogleのサーバーにWebブラウザーから情報を送信するために、Google AnalyticsではJavaScriptを使っています。ビーコンプログラムはWebページを表示したときにWebブラウザーで実行され、ユーザーがどのページを読んでいるのか、などの情報をGoogle Analyticsのサーバーに送信しているのです。また、JavaScriptを使うと、window.screen.width で画面の横幅、navigator.platform でOSの種類を取得できます。Google Analyticsのユーザーメニューで、ユーザーの利用環境に関する情報が集計できるのはJavaScriptのおかげです。

 Google AnalyticsがJavaScriptを使って情報を収集しているということは、JavaScriptに対応していないWebブラウザーはアクセス解析の対象にならない、ということです。クローラーなどのロボットはもちろん、JavaScriptに対応していない携帯電話のブラウザー機能で閲覧しても、そもそもGoogle Analyticsに情報を送信できませんので、まったく集計の対象になりません。Google Analyticsがロボットを集計しないのは、ビーコン型なのでそもそもJavaScriptが使えない環境からのアクセスを集計していないことの結果です。

「ということは、JavaScriptに対応したWebブラウザーで見ていても、HTMLにビーコンプログラムが埋め込まれていないと、アクセスがあったことがGoogleのサーバーに伝わらないということでしょうか?」――その通りです。CMSなどのシステムを使ってコンテンツを管理しておらず、手書きのHTMLが膨大に存在する場合、後から1つ1つJavaScriptのビーコンプログラムを追加できない場合もあります。この場合、ビーコン型のアクセス解析ツールでは、Webサイト全体のアクセス状況は把握できないことになります。

 ただし、JavaScriptだけでは個々のWebブラウザーを識別できず、セッションの開始や終了、新規ユーザーかリピートユーザーかの区別ができません。そこでGoogle Analyticsのようなビーコン型のアクセス解析ツールは、Cookieを使ってWebブラウザーを識別します。企業ネットワークなどでは、複数のパソコンが共通のIPアドレスでインターネットにアクセスしますので、個々のWebブラウザーを識別するには、WebブラウザーごとにIDを割り当て、Cookieに記録するのがもっとも確実な方法だからです。

「ビーコン型という解析方式から、Google Analyticsにも得手不得手があることはわかりましたが、どういう場面で使うのがいいのかわからないです」――では、Google Analyticsを使うべき場合と、少なくとも他のツールと併用した方がいい場合を考えましょう。

 まず、Google Analyticsが得意なのは、

  • CMSを導入しており、解析対象となるすべてのWebページにビーコンプログラムを組み込める
  • PCユーザーからのアクセスがほとんどで、携帯電話からのアクセスを無視してよい
  • 物販や資料請求など、Webサイトの目標を数値で設定できる

サイトです。逆にいうと、

  • CMSを未導入のWebページがあり、解析対象となるすべてのWebページにビーコンプログラムを組み込めない
  • 携帯電話からのアクセスも無視できない程度にある
  • ブログやメディアなど、Webサイトの目標をアクセス解析の指標では設定しにくい

 サイトは、Google Analytics以外のアクセス解析ツールを使ったり、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)をGoogle Analyticsの指標と絡めて算出したりするような工夫が必要になります。

(次ページ)サーバーログ型のアクセス解析ツールの目的

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