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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第50回

地域格差はネットにも――トップブロガーが語る「見えない距離」

2009年06月15日 15時30分更新

文● 古田雄介

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情報の取捨選択が進むと、スキルのない記事は目に入らなくなる

―― その更新意欲を支えているのは、公私問わずに使えるスキルアップへの情熱ですか?

Yamada そうですね。仕事用とプライベート用、両方の腕が上がればいいなと思ってやっています。ただ、やっぱりそれだけじゃなく、読者からの反応というのが継続の大きな支えになっています。

 はてブがたくさん付くのも嬉しいですし、意外とはてブが少ない記事でも、直接たくさんのメールが届いたりすることも多くて。そういう色々な方向の反響があると、「書いて良かったー」となりますね。これは重要だと思います。


―― 僭越ながら、時系列に従って記事の書き方が洗練されていっているように感じます。今、本気になったら、はてブ1000件超を連発したり、山のようなメールをもらうこともできそうですか?

Yamada 私も昔の記事を見るのが恥ずかしいんですよ。消そうかなと思っているくらいで(笑)。 ただ、今本気になっても、そこまでの計算はできないでしょうね。ネタの鮮度やタイミングもありますし、大手サイトで採りあげられるといった偶然の要素もありますから。

 あと、はてなの場合、同一ドメインで人気エントリーが複数あってもトップページで紹介されるのは1件だけになるんです。だから、毎回色々なサイトが見られるんですよね。そういう仕組みなので、1000件いく潜在力のある記事があったとしても、2回連続で載せるとどちらかしか数は増えないんじゃないかと思います。

 とはいえ、やはり長期的にみると、同じような内容でも、昔と今ではサイトの知名度を加味してもより多くのレスポンスをいただけている感はあります。

海外の面白情報を伝えるブログ「ITクオリティ」。こちらもネタ帳のサブブログの位置づけだ


―― ではそうした視点から、ほかのサイトをみていて「ネタは面白いのにもったいない。こうすりゃいいのに」と思うことはありますか?

Yamada それはないです。たぶん、見せ方が下手な記事は埋もれてしまうので、どうしても見落とすことが多くなるから、目につかないんだと思うんですよ。

 私はRSSでの情報収集もしていますが、登録サイトが膨大になっているので、時間的にも目を引く見出しの記事しかチェックしません。そうなるとやっぱり完成度の高い記事ばかりを見ることになるんですよ。

サブブログのなかには、現在更新停止中のものもある。「必要に応じて、気軽にオン/オフできるという要素もサブブログの利点ですね」という


―― なるほど。膨大なサイトを巡回するヘビーなユーザーほど、情報の取捨選択がシビアになりますからね。ネットで声を大きくするには、そうしたスキルを身につけるのが肝心ですね。身につける秘訣ってありますか?

Yamada うーん。根気よく続けていくしかないでしょうね。とにかく見せ方を意識しながら継続して更新し、自分の筋肉にするしかないですよ。私の知人は、半年間で300記事書くという修行みたいなことをして、今はそれなりの人気ブログを運営していたりしますし。

 あと、スキルを上げたブロガーが、どこかの社長のブログを代筆したら、ほとんどの場合評価が上がると思います。面白い業績があってネタも豊富な人はたくさんいるのに、それを伝え切れていないのはもったいないですよね。ブログスキルの認知度が上がれば、将来的にはそうしたビジネスがもっとしっかりできるような気もします。

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