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「ベビー用スリング」って何?を解決して大繁盛 (2/2)

2009年06月11日 16時11分更新

文●三浦たまみ

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商材の認知度に合わせて、サイトデザインも変更する

 開業後に初めて大幅なリニューアルをしたのは2004年。[トップページ]→[商品紹介ページ]→[購入]というネットショップの“王道”というべき流れをあえて見直し、トップページからどの商品カテゴリをクリックしても、『スリングについて』というページを表示させ、ここを読まないと[商品紹介ページ]に進めないサイトへ変更したのです。

 「お客様からの問い合わせを減らしたかった――この一言に尽きます。『スリングについて』というページを用意しているのに『スリングって何ですか?』と質問する方があまりに多く、深夜までメール対応に追われ他の業務に支障が出たんです。スリングという商材の認知度が低いうちは、『スリングについて』を半ば強制的に読ませるサイトにしなければと思い変更しました」(店主・藤原真希枝さん)

 これにより、問合せは激減。通常のネットショップより購入までのステップが増えるため、一見、購入されにくいサイトに思えます。しかし、「お客様はどんな商品か理解しなければ決して購入してくれません。『スリングについて』を読んでもらえれば、商品を理解すると同時に、私たちの商品に対する思い入れも感じてもらえます。結果、問い合わせは減り、売り上げは次第に伸びていきました」。


画像バナーも活用し、イメージ戦略に打って出る

 2005年からは、アピールしたいことを視覚的に演出できる画像バナーを活用。細かな修正は随時行なっていきました。その後、大幅なリニューアルを行なったのは2006年の初頭。育児雑誌に頻繁に取り上げられるなど、スリングが赤ちゃんグッズの定番商品となり、「スリングって何?」という疑問を持つ人が減ったことから、通常のショップのようにトップページから即、商品紹介ページに進めるサイトに変更。このとき、“イメージ”で売る戦略に打って出ます。

 「母親が赤ちゃんを抱っこし、そばで父親が微笑んでいる画像をバナー化しトップページ上部で扱いました。家族で子育てする、スリングで親子がスキンシップを図るなど、“スリングのあるライフスタイルの提案”を、イメージ写真として表現しました。当時、競合店も増加していたので、他社と差異化を図ろうと、商品写真を羅列する以外の方法を模索したんです」

 イメージ写真をサイトの全面に押し出すことは、“個人サイト”から脱却する意味もありました。

 このタイミングを見計らって投入したのが、2006年に発売した「イージーフィット」です。イージーフィットは、バックルフィットに備わったバックル部分をはじめさまざまな機能を削ぎ落とし、究極にシンプルにした商品です。

 「それまではどちらかといえば、写真よりもかわいらしいイラストを目立たせるサイトにしていましたが、購入の決定権は父親にある場合も多いので、父親が会社でのぞけるような幼くなりすぎないサイトを目指したんです。これによりサイトに“箔”がつき、いかにも個人が運営しているように見えたサイトから脱却できたようで、企業からの問い合わせが増加。通販カタログに商品が掲載されたり、手芸用品店と取引が始まるなど新たな販路開拓につながりました」

 現在も、引き続きこの流れを踏襲していますが、各商品ごとに画像バナー化してトップページから並べるなど、より一層、視覚的にインパクトを与えられるサイト作りができないか模索しています。商品のみならず、サイト作りにおいても、常に“現在進行形”の姿勢が求められるのです。

 次回からは、ハンガーで月商4000万円を達成した『ハンガーのながしお』を取り上げます。


――ネットショップのエキスパートが斬る!――

リニューアルの目的は明確に

 サイトをリニューアルするタイミングは、「リニューアルの明確な目的が持てるとき」。『Happy!hughug』の場合、商品の知名度が上がったタイミングで、スリングによりどんな幸せが実現できるかを提案するサイトへ移行すべくリニューアルを図っています。このように、「商品説明中心のサイトから、ライフスタイルを提案するサイトにしたい」などの目的があってリニューアルする際は、大きな効果が期待できます。

 反対に、単に「カッコよくしたい」という理由だけでリニューアルすると、それまでのデザインからかけ離れたり、コンセプトに一貫性が感じられないサイトになることが多く、売上が激減するケースがあります。


森本繁生:有料会員制協業事業フォーラム「オンラインショップマスターズクラブ」運営。ブログ「森本繁生のEC道



顧客の変化を分析

 サイトの日々の更新やリニューアルを行なう上では、どのページがよく見られているかなど、アクセスログを分析するのは大前提。リニューアルのタイミングとしては、「子どもを持つ主婦層が多かったが、同世代の男性客の購入も増えてきた」など、顧客層に変化が見られてきたときなどが好機といえます。

 また、ファッション関連のネットショップをはじめ、流行に左右されるショップなどは、季節ごとにトップページだけの全面リニューアルを図るなど、視覚的な面でもお客さんを惹きつける工夫が必要といえるでしょう。


山田雅彦:有限会社サーブ代表。IT&インターネット活用のコンサルティングサービスを提供。



協力:佐川フィナンシャル株式会社(http://www.sagawa-fin.co.jp/

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