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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第25回

「すべては2つ持て」 私の海外出張テクニック

2009年06月10日 13時00分更新

文● 西田 宗千佳

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日本に比べかなり厳しい通信環境
解決策は「3G」か「早起き」!?

 残るライフラインは「電源」と「通信」である。

 電源については、追加のテーブルタップで事足りる印象だ。ただし、ゲーム機や音楽プレイヤーなどのガジェットは、限りあるACアダプターを使うのがもったいないので、できるだけUSBケーブルを使って、USBハブかパソコンにつないで充電している。ACアダプターよりもケーブルの方がかさばらないので、荷物を減らすにも有効だ。

 通信はアメリカ国内の場合、ほぼ「無線LAN」に頼る。展示会場のプレスルームでは、有線のブロードバンドサービスがある場合も多いのだが、基本は無線だ。アメリカは日本以上に公衆無線LANサービスが発達しており、かなりの場所で利用が可能だ。コンベンションセンター内やスターバックスなどのコーヒーショップは、たいていOKと考えていい。

 ただし、問題が2つある。ひとつは高いこと。公衆無線LANサービスでは1日プランが用意されており、カードでその場決済ができるのだが、たいてい1日10~15ドル(約980~1470円)もする。

 ふたつ目は「不安定」であること。特に、混雑するプレスルームやイベント開催初日のホテルでは、びっくりするくらい速度も接続も安定しない。だから、ホテルの回線は有線がいいのだが、ちょっとホテル代をけちってランクを落とすと、無線LANしかないホテルになってしまう。今回もE3初日には、たった数十MBの画像をアップロードするのに4時間かかるていたらくだった。自腹取材も多いフリーライターの身としては、課題のひとつである。

 解決策としては、「アメリカ国内向けの3Gブロードバンドサービスに加入する」ことが挙げられる。ただし、こうしたサービスの多くは、日本国内のもの同様「その国に住んでいる」人向け。アメリカ国内で使える決済口座を持ち、月額制の料金で支払う。これでは契約は難しい。

 ただし、先輩ライターである元麻布春男氏によれば、米Verizonで1日単位課金の「Mobile Broadband DayPass」プランを選択して、プリペイドカードで料金支払いをすると、旅行者でも3Gブロードバンドが利用できるという。日額15ドルと、こちらも決して安いサービスではないが、どこでも通信できるという「日本と同レベル」の環境が得られるのならば、納得できる価格だ。

「Mobile Broadband DayPass」のウェブページ

Verizonが提供するモバイル向け1日通信サービス「Mobile Broadband DayPass」のウェブページ

 今回はスケジュールの都合もあり、Verizonのショップへ行く時間が作れそうにないため、このテクニックを実行することはできないが、次回の渡米時には、スケジュールを見つけて是非トライしてみたいと考えている。

 今回の解決策は、もっと単純なものである。早起きして、朝イチ(7時から8時くらい)にプレスルームに入って仕事をするのだ。そのため最近は、できる限り会場から近いホテルを選ぶことにしている。この手法を私は、教えてくれた大物先輩評論家の名前を取り、密かに「麻倉方式」と呼んでいる。

 やっぱり「早起きは三文の得」ということか。

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