MNPは総務省の勇み足
そして日本の端末メーカーは弱っていった
中山 MNP(ナンバーポータビリティ)が開始されてから2年以上がたちますが、イマイチ浸透していません。
山根 MNPは本来SIMロックの無い国でやるもんなんですよね。さらに日本はキャリアが違うとSMSを送受信もできない。海外ではキャリアが違っても、ちゃんとSMSは送受信できる。だから、キャリアが変わっても端末は同じのが使えるし、テキストメッセージも同じ番号へ送れる。これが無い限り、MNPは意味がない。
平出 順番にやろうとはしてるかもしれませんが、するならするで一気にやってしまえばよかった。
石川 次世代規格としてLTE(3.9Gとも呼ばれる携帯電話の通信規格)を全キャリア共通で採用するから、それを前提としていたのですが、あまりにもタイミングが悪かった。
平出 これは完全に総務省の失敗ですよね。結局端末が売れなくなって、メーカーが減っちゃってるわけですから。
石川 iPhoneの0円プランもそうですが、日本人は最初に払う金額が安くなるのが好きです。あのキャンペーンでiPhoneユーザーは増えました。
中山 そしてGoogleのサービスが使える端末がどんどん浸透していく。まさしくGoogleの思い通りって感じですね。
Googleに代わるものはTwitter!?
石川 でもGoogleっていうのは、本当に脅威だなと思います。
中山 行きたいレストランを検索してルートを調べてというのは、Googleのサービスだけでできます。
石川 Android以外でも、BlackBerryやiPhoneとの連携もGoogleはいいです。
平出 もしGoogleが、明日から急に「各サービス100円となります」と言われても使わざるをえない。
山根 ありえますよね。Gooleチェックアウトでクレジットカード登録できるわけですから。しかも連絡先で住所、カレンダーで行動までGoogleに把握されているから逃げられない。(笑)
平出 さらにユーザーが何を検索しているのか、YouTubeで何を見ているのかまで知られてる。ちょっと気分悪いですよね。
霜田 とはいえ、いつまでもGoogleの天下ということでもないと思います。Yahoo!がGoogleに足下をすくわれたように、Googleだってわからない。
山根 とりあえず、メッセンジャーはTwitterで十分。
霜田 最近はGmailすら使わないですよ。Twitterで済ませちゃう。
山根 GmailはTwitterのダイレクトメール通知代わりです。Twitterでファイル共有みたいな動きもあるし、この先わからないですよね。
霜田 アメリカではすでに企業が取り入れていて、たとえばショップがTwitterで特売情報を提供してます。
石川 イギリスのボーダフォンも企業リリースをTwitterで流してます。
平出 結局クラウドサービスなんですよね。端末やOSはなんでもいいんです。どんなにいい端末をだしても使うサービスは結局アメリカに持って行かれる。
石川 デジカメもそうですね。デジカメなんて日本の独壇場なのにその写真を共有するサービスはFlickr。
霜田 大事なところはアメリカに持ってかれちゃう。
石川 ほんと、国というか総務省もその辺をしっかりと見極めて指導しないと、重要な部分は全部アメリカってことになりかねないですよ。
という風に延々と盛り上がった今回の座談会。夏モデルに触れた前半部は週刊アスキー6/23号でチェックしてほしい。