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生産性を格段に向上するビジネスプラットフォーム

「MindManager 8」は、ブレストツールじゃない!

2009年06月04日 09時00分更新

文● 松本淳

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マインドマッピングって……
だがMindManagerはひと味違う?

パケ写

MindManager 8パッケージ

 最初に告白しなくてはならない。私は「マインドマップ」そのものが、あまり好きではない。正確に言えば、プレゼンなどでマインドマップを見せられて、「ほら、私はこんなに考えましたよ」とやられるのが嫌いだ。沢山考えるのは当たり前で、いかにその中から優れたアイデアを抽出し、サービスなどとして世に問えるよう研ぎ澄ますか、が大事ではないのか、と反応してしまう。

 思考を深めるツールであれば、コンサルティングの現場でよく利用する「ロジックツリー」のほうが、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:ダブリなく・漏れなく)に練り込まれているし、プロジェクトマネジメントの現場で使うWBS(ワークブレークダウンストラクチャー)のほうが、すぐに仕事にかかれるという点で優れていると考えている。要は、思考の途中過程を洗い出すことにかけては、先達は沢山いるのだ。

 と、冒頭から否定的に書き出してしまったが、今回試用したMindjetの「MindManager 8」はそんな先入観を一掃するソフトウェアだった。Web構築やコンサルティングなど複数の業務をこなす筆者が、実際に使用してみて、「よく考えられてるなー」と感心する場面が多々あった。非常に多機能なソフトなので、そのすべてを紹介することは難しいが、「これは便利!」と感じたシーンごとにその利点をご紹介したいと思う。


ただのアイデア出しのツール
と思ったら大間違い!

ブレストモード

MindManagerのブレーンストーミングモード画面

 MindManager 8は、いわゆるマインドマッピングのツールとして、会議などでのブレーンストーミングに使うことができる。ショートカットキーが豊富に用意されているので、慣れてくると入力も手書き並にかなりスピーディになる。「ブレストモード」ではキーワードをどんどん入力していき、あとからドラッグ&ドロップでそれぞれの項目を直感的に紐付けていくことも簡単だ。

 とはいえ、MindManager 8の真価は、ブレストだけではなく一人で机に向かっている時にも発揮される。たとえば掛かってきた電話一本が、1日の仕事の流れを台無しにしてしまうことがないだろうか? 流れを元に戻そうとToDoリストを見ても、仕事間の依存関係(あれをやったら、次はこれをやる)が不明確になりがち。MindManager 8を使うことで、いわば「仕事の航海図」が常に手元にある感覚で、仕事の流れを自分のコントロール下に置ける。

動きマップ

1週間の仕事やプライベートの動きを実際にMindManagerで整理・追跡してみた図。秘密保持の関係で、ところどころマスクを掛けている点はご容赦いただきたい

 これから仕事に取りかかろうとするとき、MindManager 8は「次に何をやるべきか」「何かやり忘れていることがないか」を気付かせてくれ、しかもシームレスにそれらの作業に入っていけるように設計されている。MindManager 8では、マップ上の各トピックスに「仕事情報」を付与できるのだ。

 MindManager 8のマップに仕事情報を付与すると、マインドマップのツリー構造の従属関係が、仕事の依存関係として管理できる。そのため、個別の作業の進捗度を更新すると、一連の作業全体の進捗度も自動的に計算され、視覚的に把握できるようになっているのだ。

トピックスの色が変化

設定した期日を過ぎるとトピックスの色が変わって知らせてくれる。上位タスクもその影響を受ける

 もちろん、個々のトピックスごとでの期日設定もできる。期日を超過するとトピックスの色が変化して知らせてくれるため、ツリーを畳んでいたために〆切を見過ごしてしまうというリスクも回避できる。

次ページに続く

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