マインドマッピングって……
だがMindManagerはひと味違う?

MindManager 8パッケージ
最初に告白しなくてはならない。私は「マインドマップ」そのものが、あまり好きではない。正確に言えば、プレゼンなどでマインドマップを見せられて、「ほら、私はこんなに考えましたよ」とやられるのが嫌いだ。沢山考えるのは当たり前で、いかにその中から優れたアイデアを抽出し、サービスなどとして世に問えるよう研ぎ澄ますか、が大事ではないのか、と反応してしまう。
思考を深めるツールであれば、コンサルティングの現場でよく利用する「ロジックツリー」のほうが、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:ダブリなく・漏れなく)に練り込まれているし、プロジェクトマネジメントの現場で使うWBS(ワークブレークダウンストラクチャー)のほうが、すぐに仕事にかかれるという点で優れていると考えている。要は、思考の途中過程を洗い出すことにかけては、先達は沢山いるのだ。
と、冒頭から否定的に書き出してしまったが、今回試用したMindjetの「MindManager 8」はそんな先入観を一掃するソフトウェアだった。Web構築やコンサルティングなど複数の業務をこなす筆者が、実際に使用してみて、「よく考えられてるなー」と感心する場面が多々あった。非常に多機能なソフトなので、そのすべてを紹介することは難しいが、「これは便利!」と感じたシーンごとにその利点をご紹介したいと思う。
ただのアイデア出しのツール
と思ったら大間違い!
MindManager 8は、いわゆるマインドマッピングのツールとして、会議などでのブレーンストーミングに使うことができる。ショートカットキーが豊富に用意されているので、慣れてくると入力も手書き並にかなりスピーディになる。「ブレストモード」ではキーワードをどんどん入力していき、あとからドラッグ&ドロップでそれぞれの項目を直感的に紐付けていくことも簡単だ。
とはいえ、MindManager 8の真価は、ブレストだけではなく一人で机に向かっている時にも発揮される。たとえば掛かってきた電話一本が、1日の仕事の流れを台無しにしてしまうことがないだろうか? 流れを元に戻そうとToDoリストを見ても、仕事間の依存関係(あれをやったら、次はこれをやる)が不明確になりがち。MindManager 8を使うことで、いわば「仕事の航海図」が常に手元にある感覚で、仕事の流れを自分のコントロール下に置ける。
これから仕事に取りかかろうとするとき、MindManager 8は「次に何をやるべきか」「何かやり忘れていることがないか」を気付かせてくれ、しかもシームレスにそれらの作業に入っていけるように設計されている。MindManager 8では、マップ上の各トピックスに「仕事情報」を付与できるのだ。
MindManager 8のマップに仕事情報を付与すると、マインドマップのツリー構造の従属関係が、仕事の依存関係として管理できる。そのため、個別の作業の進捗度を更新すると、一連の作業全体の進捗度も自動的に計算され、視覚的に把握できるようになっているのだ。
もちろん、個々のトピックスごとでの期日設定もできる。期日を超過するとトピックスの色が変化して知らせてくれるため、ツリーを畳んでいたために〆切を見過ごしてしまうというリスクも回避できる。
次ページに続く
