薄型軽量ノートはインテルだけじゃない!
パソコン向けCPUでは、すでに発表されている「Phenom II X2 550 Black Edition」や「Athlon X2 250」(詳細は関連記事参照)が講演でも取り上げられたが、むしろ注目なのは、薄型軽量ノートを実現する新プラットフォームの話題だろう。
前日にはインテルが薄型軽量ノートを実現しやすくする新チップセットなどを発表した。対するAMDも、従来より低価格(700~1499ドル程度)でディスプレーサイズが12型クラスのノートパソコン向けに、コード名「Congo」を今回発表している。ちなみに、ネットブック向けのプラットフォームのコード名が「Yukon」なので、Congoはアフリカ大陸のコンゴ川から名を取っていると思われる。
スライドを見ると、Congoは薄型ノート向けに、TDP 18WのAthlon NeoをCPUに使い、チップセットには既存のAMD M780Gを使用する。GPUはチップセット内蔵のRadeon HD 3200を使う。
Congoプラットフォームを採用したノートパソコンは、2009年第3四半期に登場する予定だ。
講演会場には、AMDのプラットフォームを採用した薄型ノートが展示されていた。左はAcer(ゲートウェイブランド)の「ZA8」。右は日本では馴染みがないが、MEDION社の「Akoya mini E1311」。GPUの性能でインテルプラットフォームを上回るのは確実で、価格や薄さだけでなく充実した性能も欲しいというニーズに応える製品になりそうだ
世界初の1ダイ6コアCPU「6コアOpteron」も発表!
サーバー向けCPU分野では、コード名「Istanbul」で知られていた6コアCPUが、「6コアAMD Opteronプロセッサ」として正式に発表された。
45nmプロセスで製造され、アーキテクチャー自体は既存のクアッドコアOpteronと同等。6つのCPUコア(CPUごとに512KBの2次キャッシュ搭載)と6MBの共有型3次キャッシュを、ひとつのダイ上に搭載する。2、4、8ソケットのマルチプロセッサーシステムに対応している。
ハードウェア仮想化技術「AMD-V」に対応するほか、「AMD-P」と称する省電力技術にも対応している。AMDの省電力技術「PowerNow!」を拡張したもので、各CPUコアごとのきめ細かなクロック周波数制御や、CPU内の機能ブロック(コアやキャッシュ)ごとに電力供給を制御するといった特徴を備えるという。
搭載サーバーは6月から順次サーバーメーカー各社から出荷されるほか、2009年第3四半期には、低消費電力版の「HE」「EE」、高性能版(消費電力は大きめ)の「SE」といったバリエーションも登場するという。
そのほかにも、サーバー向けCPUのロードマップも示された。それによると、2010年には45nmプロセスで8~12コアの「Magny-Cours」(マニ=クール)と、4~6コアの「Lisbon」の2ラインナップのCPUが登場する予定となっている。続く2011年には32nmプロセス世代に移行し、12~16コアの「Interlagos」(インテルラゴス)と、6~8コアの「Valencia」が登場するという。

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