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「さあ、年末商戦へ最速ダッシュ!」 (2/9)

2007年09月20日 00時00分更新

文●EC応援隊編集部

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第1部:私ならこう作る!「年商1億円ショップ」のスピード育成術
~”繁盛店”になるために欠かせないものとは?

 ネットショップを大きく育てたいのは、オーナーならば誰もが望むところ。年商1億円という大きな目標を掲げ、さらにできるだけ早く到達することを目指した場合、店長やスタッフにはどのような知識やノウハウが必要でしょうか。多くの成功事例を知る4人に聞いてみました。


■出席者

座談会風景

リピーターなくして年商1億円なし!?

編集部 年商1億円という数字は、特に個人のネットショップにとっては大きな数字かもしれません。本気で達成しようとするならば、どのように取り組んでいけばいいでしょうか?

田嶋 最速で1億円にもっていくには、「スピード」が必要だと思います。短時間でスピードを上げるためには、車でも目的地までのまっすぐな高速道路や、高速で走れる車、そしてある程度、運転に慣れたドライバーが必要なように、しっかりとした売れるための商品・ウェブ・人といった“インフラ”をタイミングとバランスを考えて揃えていくことが大切です。

 ポイントは3つあって、まず「売れる商材やサービス」であること。売れ筋の商品なら他店との差別化が必要だし、さらに流行を先取りする商品を開発しなければならないでしょう。次に、「サイトが進化し続ける」構成であること。初期に制作会社が50ページ、100ページ作っても、その後、ページが増えないサイトはSEOも弱いし、お客さんもリピート訪問してくれないですよね。最後に、「人とカネのバランス」。年商1億円だとけっこうな規模ですからスタッフも数人いります。

 これら3つについてゴールの期間と数値を設定して、事業計画を立てる必要があります。

田嶋 節和さん(株式会社サーフボード代表取締役)
田嶋 節和さん(株式会社サーフボード代表取締役)

 私が思いつく成功店では、たとえばワインやカニ、アクセサリーを売っているお店があります。基本的にどれもリピート商材ですね。ネットビジネスのマーケット規模を考えると新規顧客の獲得と同時に、獲得した顧客に対するリピート戦略が重要ですが、リピート戦略が不十分なお店がとても多いと感じます。

 広告などで獲得した新規のお客さんから生まれる年間売上のボリューム、そのボリュームだけで年商1億は難しい。年商1億というのは、実は微妙な規模なんです。商材によってはセオリーどおりの売り方では届かなくて、相当なお金をかけてプッシュをしたり、アクセス対策が必要。だけど、リピート率が高い商材なら、順調に成長すれば達成できる規模なんです。

田嶋 サイトがオープンした最初のころは、転換率(※1)は1%前後、実際はもう少し低いかもしれませんが、リピーターが増えることでリピーター客のアクセス数は購買に直結する割合が高いため、転換率を7~8%まで向上させることが可能です。

 それから、成功しているお店を見ると、必ず商品開発の計画がしっかりしています。「半年後、1年後にこういう商品を作ります、そしてこういう販促をします」といったように。商品開発をしないと、どうしてもお店が陳腐化してしまうし、リピート購入がなくなります。権さんが言われたように、リピート客を増やし、リピート頻度が高いことが1億円達成のキーワードですね。

前田 私の専門ジャンルである単品通販では、新規のお客さんを1人獲得するのにかけられるコスト(=CPR/CPO)は、リピート率から逆算して決めるんです。これだけリピート購入があるから、CPR/CPOはここまでかけてもいいというように。

 採算が合うポイントは、テストマーケティングして見つけます。テストを続けて限界が見えてきたら、「この商品はこの価格であう、あわない」という判断ができます。OKであれば、そのモデルで集客を増やしていくわけです。


※1 転換率……サイトにアクセスした人のうち、商品やサービスの購入に結びついた人の割合。注文件数÷アクセス数×100で求められる(単位は%)。コンバージョン率やコンバージョンレートともいう。

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