編集部 ツールやサービスを使うにしても、課題をはっきりさせて使う人、なんとなく使う人では効果が違うということでしょうか。横山さんの会社のメールツールはいかがですか。
横山 うまく活用しているお店は、店長と現場で課題が一致していますよ。いま悩んでいることはなんですか? と聞くと、「1日にたくさんメールが来る。返信のもれや遅れが多い。だけど、改善策がわからない。なにかいいツールがあれば使いたい」と問題点が明確なんです。
編集部 悩みをかみ砕いたり、具体化する作業が難しいのでしょうか。
横山 具体化する方法はいろいろあると思います。たとえば、売り上げを伸ばしているあるショップでは、週に1度、店長と全スタッフを集めて、自店の強みと弱みを書き出すんです。テーマだけを決めて紙に落とし込んだあと、分類します。ショップ内の強みと弱み、対外的な強みと弱みといったように。それらを分析することで、お店の悩みを総合的に判断するそうです。
朝日奈 それ、素晴らしい方法ですね。それができているショップって伸び悩まないかも……。
横山 全員の意見を集めることで、「こうやっていきましょう」という結論が出ます。進むべき”ベクトル”がはっきりするんですね。
朝日奈 ネットショップ業界は本当に紙を使わない方が多いですね。考えることすら、パソコン上でデジタル的にすませてしまう。
当社は活字媒体の制作もしていますが、そちらの視点からすると、あんなに紙を使わず、字を書かないで考えをまとめることができるのかな、大丈夫なのかなと不安になるくらいです。問題点を紙に書き出すというアナログな方法をくり返すことで、思考そのものも違ってくると思いますよ。
編集部 話し合う前にまず紙に書いてみる。店長ひとりのお店はもちろん、複数のスタッフで運営しているお店でも、問題点をはっきりと意識するために有効な作業なのですね。今日はありがとうございました。