編集部 サイトを立ち上げる前に、戦略を立てておいたほうが有利ということしょうか?
権 そのほうが最適なサイトができやすいということです。
前田 実際は、みなさん、サイトを作るところから入ってしまいがちですね。
全員 そうそう。
前田 作ったあとに「さて、どう売ろうか?」と考える店長さんが一般的。
全員 (納得)
前田 サイトを作ってしまって、どう売ったらいいかわからなくなって、コンサルタントに助けを求める方が多いですね。で、結局、サイトを作り直すことになる。ある意味、店長さんが必ず通る道なのかもしれないですけどね。
本来は、マーケティングプランを考えたうえで、そこで出てきたキーワードを網羅したサイトを構築しなければならないんです。サイトは販売のチャネルでありベースなのですから。
権 そう、まず戦略ありきなんですよね。目に見えないものだからこそ、事業計画を作っておく必要があるんです。最終的なゴールに合わせて、ステップをどう刻むか、今なにをやるかが違ってきますから。
たとえば、家族経営の干物屋さんが「ネットショップでもう少し売れたらいいね」という場合でしたら、基本的に運営スタッフは家族になりますよね。新たに人を雇ったり、事業部を立ち上げてウェブマスターを雇って売っていくような規模や路線は求めないでしょう。そうしたら、もっとも興味の強い一部のお客様だけにいかに効率よく売るか、という戦略になります。
前田 うちの会社の近くに、シャンプーを売っている会社があるんです。ここ、売り上げがとても伸びていて、すごいなあと思うのは、最初からしっかりとしたマーケティング戦略があるところ。
単品通販は、サプリメントや化粧品といった女性向け商品が多いのですが、この会社は男性向けのシャンプーをメインとして、そこからボディソープ、化粧水まで広げていく戦略をしっかり描いています。そして、クリエイティブ(広告の制作物)がまたすごい。ぱっと見たところはまったく同じクリエイティブでも、2行だけ違うとか。そういったものが媒体別に8種類くらいある。
田嶋 私も2回買ったことがありますよ(笑)。くしなどの同梱物も凝っているし、手を変え品を変えて、飽きさせない工夫をしていますね。
前田 DM(ダイレクトメール)も来ませんか?
田嶋 届きますね。ぜんぶとってあります。あそこまでできれば売れますよね。でも、たいていは、そこまでやる前にあきらめてしまう。
権 それは、社内の体制がついていかないからでしょう。化粧品類ならお作法というか、一般的なセオリーで継続すれば、ある程度のステージまでいけるんですよね。
しかし、そのお作法通りのビジネスを実現できるかどうかは組織力や社長のリーダーシップとか、会社としてのビジネススキルがあるかどうかという面が影響してくるんです。
田嶋 家族経営のショップにもいえますね。方針を決めたら、1年でも2年でも寝食を忘れて取り組まなくちゃ。メルマガも書いて、コンテンツも毎日1ページ追加して、1年後には200ページや、300ページくらいにする意気込みで。SEOの面でもページ数は多い方が有利なんでしょう?
権 そうですね。