中小企業を助ける経理ソフト
LiRaku
一方LiRakuは、どのような規模・業種の企業であっても発生する「売上(見積、受注、請求)」、「支払」、「経費精算(交通費)」の各業務フローを定型化し、ネット上で処理できるようにする経理ワークフローソフトだ。
このサービスの対象ユーザー層である中小企業の多くでは、これらの業務を紙や表計算ソフトなどで運用しているケースが多いが、LiRakuを使って電子化・定型化することにより、転記間違いなどの単純ミスがなくなる、稟議・承認といったワークフローを明確にすることによって責任の所在が明確になる、などのメリットがあるという。
また、通常この手の経理ソフトでは、あらかじめ顧客のデータを顧客マスターといったデータベースに登録しておく必要があるが、LiRakuではいきなり請求書から作り始めるといったフレキシブルな運用が可能になっている。連携しているdesknet'sのアドレス帳から顧客データを引用するといったことも可能だ。
さらに、入力したデータは弥生会計や勘定奉行といった著名な会計ソフトに対応した仕訳フォーマットで出力可能なため、経理担当者はそのまま税理士や会計士にデータを渡すだけでよくなるという。
desknet’s+LiRakuが自動仕分けデータをエクスポートできるソフト
- 弥生会計(弥生)
- 勘定奉行(OBC)
- 財務応援(エプソン)
- PCA 会計(ピー・シー・エー)
- 大蔵大臣(応研)
- 会計王(ソリマチ)
- ネットde 会計(ビジネスオンライン)
J-SaaSが成功するための課題
ネオジャパンはすでにApplitusという自前のSaaSインフラを運用しているが、J-SaaSに参加することによって、さらに多くのユーザーにアプローチできることを期待しているという。
「ここ数年でSaaSやASPなど、ネットを経由したアプリケーションの利用がかなり浸透してきたという意識、手応えは持っていますが、中小企業の方々にはまだまだリーチしきれていません。そこをメインターゲットとするJ-SaaSという国の試みには非常に大きな関心と期待を持っています」(狩野氏)
J-SaaS版の発表後、詳しいソフトの説明を求める中小企業からの問い合わせも多く、実際に注文も入っているというが、狩野氏はJ-SaaSが普及するためにはまだいくつかの解決すべき課題があるという。
まずはJ-SaaSサイトの充実。現状はソフトを購入するだけの単なるECサイトになっているが、これでは購入時にしかアクセスされないため、機能を充実させてポータルにする必要があるという。また、携帯電話への対応も必須だ。
次に積極的な普及活動。良いアプリケーションを用意するだけではなく、導入セミナーや体験セミナーを行なうなど、積極的にユーザーに触ってもらう必要があるという。これはアプリベンダーだけではなく、経産省や普及員の協力も必要だ。
最後にアプリケーションの充実。現状は経理ソフトや電子申請ソフトなど業務効率化のためのソフトが多いが、CRMやSFAなどマーケティングや営業支援にも使えるような“攻め”のソフトも充実させる必要があるという。ネオジャパンも、すでにSaaSとして運用している自社のアプリを、今後どんどんJ-SaaSにも提供していきたいとのことだ。
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