FAX機能
LP-A500Fは、一般的なFAXで使われるG3のほか、最高速度33.6kbpsのスーパー3Gに対応したFAX機能を持っている。画質モードとしては、「標準」「詳細」「高精細」「写真」の4つのモードがある。また、メモリ蓄積による受信機能も付いている。紙切れなどでFAXが受信できなかった、といったトラブルを未然に防ぐ、オフィス用FAXとしては必須の機能だ。
ダイヤル機能は、操作パネル上のボタンで発信できるワンタッチダイヤルを3件、短縮ダイヤルを60件まで登録できる。さらに、短縮ダイヤルを最大20件までグループ化して一斉送信する「グループダイヤル」機能もある。FAXの宛先登録には、Windows版の「ファクス宛先登録ツール」が便利だ。このツールはLP-A500Fに標準添付されている。
FAXと電話機を共用する場合に便利な、FAX/電話の自動受信切り替え機能もある。これは、いわゆる家庭向けのFAXに搭載されている機能で、呼び出しの回数を設定して、その回数を超えるとFAX受信モードとなるものだ。もちろん、FAXの送信呼び出しなのに誤って通話しようと受話器を取ってしまっても、FAXの通信音が鳴った段階で自動的にFAX受信に切り替わる。
このほか、JPEG圧縮の「カラー送信モード」を装備し、送信先がカラーFAX機であればカラー送信が可能となる。
ネットワーク機能
LP-A500、LP-A500Fともに、100BASE-TX/10BASE-T対応のネットワークインターフェイスを装備している。対応するプロトコルは、TCP/IP、AppleTalk、NetBEUI、IPPの4種類だ。
ネットワークから利用できる機能は、プリンタとスキャナのみで、FAX機能は利用できない。PC FAXとして利用できるとより便利なだけに、この点はやや残念だ。
一方、別売の印刷管理用ソフトウェア Offirio SynergyWave PrintDirectorを利用すれば、各ユーザーの印刷ログを自動収集したり、消耗品や稼働状況をグラフ化してチェックできる(画面2)。これらはWebブラウザで確認可能だ。また、同ソフトを使えば、ユーザーやグループごとに印刷枚数の上限を設定したり、印刷ログを基に印刷コストを算出することも可能となる。印刷枚数制限では、上限を超えたユーザーに対して「警告」や「停止」を行なえる。税別15万円という価格は安価なプリンタに対してかなり高額なソフトウェアといえるが、昨今の情報漏えい対策や印刷コスト削減には有効なソリューションといえるだろう。
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低価格でありながら多彩な機能を誇るLP-A500シリーズは、魅力的な複合機だと感じた。SOHOや部署だけでなく、家庭にあってもよいのではないかと思える。担当はかなりほしくなってしまった。
ただ、印刷耐久性は20万ページまたは5年と、オフィス向けとしてはやや低い。もっとも、価格が安いだけにこのあたりはトレードオフといえるだろう。
表2 主な仕様
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