地デジの録画は見られない?
簡易ホームサーバーとして便利そうなリモートメディアストリーミング機能だが、地上デジタル放送の録画番組のように、著作権保護のかかったビデオコンテンツは、外部からは見られない。
マイクロソフトはWindows 7で、コンテンツ保護技術「DTCP-IP」を元にしたストリーミング配信機能をサポートしなかった。そのため、Windows 7搭載パソコンに録画した地デジ番組を、外出先からインターネット経由で見る、といった使い方はできない。
Windows 7自体はDTCP-IPはサポートしないが、マイクロソフトでは、サードパーティーのアプリケーションソフトがDTCP-IPをサポートすることで、著作権保護コンテンツへのリモートアクセスを可能とする方針を打ち出している。
著作権保護コンテンツのリモートアクセスを試す
一方で、Windows Media DRMで保護されたコンテンツに関しては、現時点でもリモートメディアストリーミング機能で外部からアクセスできると、マイクロソフトでは説明している。
そこで実際に、音楽CDをWindows Media DRMによるコンテンツ保護をかけた状態で取りこみ、リモートメディアストリーミングでアクセスしてみた。すると、「コンテンツ保護がかかっているコンテンツだ」と表示された。
そもそもWindows Media Playerは、標準状態ではDRMのかかったコンテンツを再生できない。DRM付きコンテンツを再生するには、再生のためのライセンスキーをWindows Media Playerにインストールする必要がある。今回は、Windows Media Player自体でDRMをかけたので、マイクロソフトのウェブサイトにあるライセンスキーがダウンロードされた。コンテンツによってライセンスキーは異なるが、Windows Media Playerが自動的にダウンロードするので、ユーザーが何かのプログラムをインストールする必要はない。こうしてライセンスキーが導入されたあとは、インターネット側のノートパソコンでも、DRM付き音楽コンテンツが再生できた。
テストでは、ビットレート10Mbpsのビデオファイルを、ノートパソコンで再生してみた。ノートパソコン側は、UQコミュニケーションズのUSB WiMAXアダプターを使ってインターネットに接続した(転送速度は3Mbpsほど)。ノートパソコン側の回線スピードが遅いので、DLNA1.5の仕様に基づき、家庭側のパソコンがビデオファイルのビットレートを720kbpsに落として転送した。そのため、若干映像が荒かったり、動きがカクカクして見えた。
インターネット回線帯域の問題から、リモートメディアストリーミングではHD品質のビデオ再生は厳しそうだ。しかし、データ量がそれほど大きくない音楽コンテンツなどは、帯域が狭くても問題なく再生できた。
現状では地デジ番組が見られないのは残念だが、サードパーティー製のソフトなどによって解決されることもあるだろう。今後の展開に期待したい。
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