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ネットショップの売上UPの鍵は「入口」にあり

2008年09月19日 12時45分更新

文●竹内 亮介/株式会社環 取締役 アクセス解析 シニアコンサルタント

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 こんにちは。竹内亮介です。
オーナーの皆さんは、「ネットショップを改善しよう」と思った際にどの部分から始めようと考えますか?

 ●ショッピングカート
 ●商品の見せ方
 ●商品のカテゴリ分け

 もちろん、すべて大事です。ただ、最も大事なのはカテゴリページや商品ページにたどり着いてもらうことです。訪問者が最初に訪れる「入口」が重要な要素となります。

 たとえば、いくらよい商品を販売していたりしても、商品を見てもらう前に入口で訪問者が去ってしまっては、どうでしょう。その商品のよさを伝えることができません。まずは店に入ってもらうことが重要です。

 そういった意味で、ネットショップにおける入口となっているページと、そのページでの訪問者の行動(直帰)が鍵となってきます。

入口ページのポイントは「直帰率」

 入口ページの中でポイントは、訪問者が訪問直後に去ってしまう「直帰率」です。

 直帰率が高いとは、集めた訪問者の多くが1ページで立ち去ってしまっている事を意味しています。つまり、ネットショップの直帰率が50%以上の場合、訪問者の半分が入口で去ってしまっています。

 つまり、広告を行った場合、50%の費用が1ページで離脱する訪問者のために提供されたということになり、広告の半数が無駄となっているということです。

 こう考えると、直帰率の高さは広告費用の「ムダが多い」ともいえるので大きな問題となります。

ネットショップの中で改善効果の高いのは「入口」

 逆に、直帰率を下げることによる改善効果は非常に大きくなります。
たとえば、訪問者が1万人、コンバージョン率(購入率)が1%、直帰率が55%のネットショップがあったとします。

すると、
 ●入口で直帰した訪問者=55%=5500人
 ●直帰しなかった訪問者=ショップに関心を持ってくれた訪問者:4500人
 ●購入者:100人
 ●関心がある人のうち、購入した割合:2.2% (100人/4500人)
となります。

この時、直帰率を10%改善するとどうなるでしょうか。関心のある人が購入する割合(2.2%)が変わらないと仮定すると、
 ●入口で直帰した訪問者=45%=4500人
 ●直帰しなかった訪問者=ショップに関心を持ってくれた訪問者:5500人
 ●購入者:121人 (5500人×2.2%)
 ●関心がある人のうち、購入した割合:2.2%
と21人も増加します(コンバージョン率も1.21%まで向上します)。

なぜ、入口を改善するのが効果的か

 なぜ、ネットショップの中でもショッピングカートや商品ではなく入口なのかという点を説明します。

それは、
 ●入口は訪問者数が多いので、施策を行った際の効果が明確
 ●広告、検索キーワードといった改善点が比較的分かりやすい
といったように、改善点とその効果が見えやすいためです。

 次回は、入口を改善する方法とその際のアクセス解析の見方について説明しますが、最後に1点。
まず、自分のネットショップの直帰率を確認してください。そして、直帰率に表示されている割合……。
これが、ネットショップの集客に投資している費用のうち、ムダになっているということです。

【アクセス解析 用語解説】

■ 直帰率
ネットショップを訪問した人のうち、1ページだけを見て去ってしまった人の割合。大体、40%がよし悪しの目安となります(広告などプロモーションに力を入れた場合、50%程度)。まずは、アクセス解析で直帰率を確認して、
●全体的に直帰率は問題ないか
●直帰率の高い問題のあるページはどこか

著者プロフィール

名前 竹内 亮介
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社環
サイト http://www.kan-net.com/

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