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アクセス解析の決め手は何?

2008年06月12日 09時00分更新

竹内 亮介/株式会社環 取締役 アクセス解析 シニアコンサルタント

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 こんにちは。竹内亮介です。
 今回は、アクセス解析の中で最初に悩む点でもあるアクセス解析ツールをどう選んでいくかについてです。

 アクセス解析ツールに関してよく聞くのが、「どのツールを使えばいいの」「ツールの違いって何なの」という話です。

 現在、アクセス解析は数多くのツールが提供されており、無料から非常に高価なツールまで様々です。逆に、数が多すぎて「何を基準に選んだらよいか分からない」点がショップオーナーの頭を悩ませている要因でしょう。

 私も、実際にアクセス解析ツールを開発していますが、同時に、他のツールも数多く利用した経験があります。その中で気づいた、“アクセス解析ツールを選定するポイント”を紹介します。

ポイント1:アクセス解析ツールは機能が多いほうがよいか?

 アクセス解析ツールに限らず、多くの製品に共通する事ですが、選ぶ際に「機能が多いほうがよいのではないか」と考えてしまいがちです。

 当然、機能が多いと色々な分析データを確認できます。
果たしてネットショップオーナーにとって必要なのは色々なデータが見られることでしょうか?本当に必要なのは“アクセス解析を見て自分のネットショップを改善できるか”という点です。

 たとえば、お客様が一向に集まらないネットショップの場合、集客方法やSEOで力を入れているキーワードや検索エンジンが購入者のニーズと合っていないことが考えられます。

 その際には、リスティング広告やSEOの結果どのような「検索キーワード」を利用して自分のネットショップに来たのか、どのような「検索エンジン」を利用したかといったデータを確認して、集客方法のどこに問題があるのかを見つけることが重要です。

 一方、訪問数は増えているのに購入まで至らないネットショップの場合、購入までの途中でユーザが断念(離脱)していることが考えられます。

 その際には、訪問したお客様がすぐに立ち去ってしまう「直帰数の割合(直帰率)」が増えていないか、訪問したユーザが離脱した「出口ページ」はどこかといったデータを確認して、課題を把握する必要があるでしょう。

 このように、ショップによってポイントは異なりますが、実は、本当に必要なデータはそう多くはありません。

 実際に、SEOやリスティング広告などを一生懸命行っているが、購入に繋がっていないことで悩んでいるネットショップのオーナーが私のセミナーに参加した事がありました。

 その際に、アクセス解析を導入して直帰率や出口ページを注意するようアドバイスしたところ、集客しているページの直帰率が70~80%とほとんどが訪問後立ち去っていることに気づき、リスティング広告の内容やページの見せ方を改善する事で、購入率が40%向上したケースもあります。

 このように、アクセス解析は、必要なデータだけを最低限確認するだけでも、改善につなげる事ができます。

 機能が多くてアクセス解析ツールの選択に迷うのであれば、まず、「自社サイトにとって、必要なデータが見られるかどうか」を確認しましょう。ちなみに、今回挙げたデータは大抵のツールでは見られるはずです。

 では、必要なデータが見られることにかえて何を重視すればよいでしょうか。それは、「使いやすさ」です。選定の際にあまり重視されてはいませんが、「使いやすさ」は選ぶ際に重要なポイントとなります。

 アクセス解析ツールは、アクセス解析を日々継続的に行う事で、データから課題を把握し、改善に繋げていくためのツールです。ツールの利用方法が面倒くさかったり、見にくかったりしたらどうでしょうか。継続的に利用していくことは難しいと思います。

 使い勝手の悪いツールは、使い続けることはできません。使いやすいツールを利用する事がショップの成功につながると言えるでしょう。

ポイント2:アクセス解析ツールをどこで選ぶのか?

 機能の他には、どんな点がアクセス解析ツール選択の決め手となるのでしょうか。
それは、「解析方法」「価格」、そして「使いやすさ」だと思います。

(1)解析方式
 アクセス解析ツールには、サーバログ型、パケットキャプチャ型、Webビーコン型(ASP)の3種類があります。これは、アクセスログを取得(利用)する際の仕組みです。

A.サーバログ型
【長所】
 ●過去のログファイルも解析ができる
 ●レンタルサーバなどで元々導入されていればすぐに使える
【短所】
 ●自分で導入するには、知識が必要
【代表的なツール】

B.パケットキャプチャ型
【長所】
 ●リアルタイムな解析ができる
 ●解析表示スピードが速い
【短所】
 ●導入費用が高い
【代表的なツール】

C.Webビーコン型(ASP)
【長所】
 ●HTMLにタグを貼るだけで、導入が簡単
 ●ASPのショッピングカートを使っている場合など、複数のドメインでも解析可能
【短所】
 ●JavaScriptをオフにしていると情報を取得できない
【代表的なツール】

 それぞれ、長所と短所があります。また、ショップの環境や予算によって導入ができない形式もあるでしょう。

 以前は、ショップを開設する際にレンタルしたサーバに予め導入されていることからサーバログ型を利用するショップが多かったですが、現在は「Google Analytics」が無料で提供されたこともあり、Webビーコン型を利用しているショップも増えてきたように感じます。

(2)価格
 アクセス解析ツールのは無料(0円)~数百万円とかなりの価格差があります。ただ、相当大きなショップでない限り、数百万円のツールを導入する事にはならないでしょう。

 無料アクセス解析ツールとしては「Google Analytics」が有名です。最近では、ショップオーナーの導入も増加しており、このコラムをご覧の方の中にも、既に導入している方も多いのではないでしょうか。
 無料のツールでも必要なデータは十分見られますし、機能面でも有料版と大きな差はありません。あえて違いを挙げるとすれば、サポートトレーニングといった、ホスピタリティー面ではないかと感じます。

 ショップオーナーには、ショップ運営や集客など数多くの業務があり、アクセス解析ツールを勉強して使いこなす、また解析に時間を掛けることが難しい方もいるでしょう。
 その際に、サポートやトレーニング面で充実している有料ツールの場合、分からない時には教えてもらえますので、調べたり勉強したりする手間が省けるというのがメリットです。

 是非、アクセス解析ツールを選ぶ際の参考にしてみてください。

【アクセス解析 用語解説】

■ 検索エンジン流入数
 各検索エンジンから流入してきた総数となります。注目すべき検索エンジンは特に、Yahoo!、Googleの2種類です。
 ショップで販売する商品の特性やターゲットにより、ユーザが購入に利用する検索エンジンが異なるケースもあります。どの検索エンジンから来たユーザがショップで購入するかを把握する事はSEOやリスティング広告などを行う上で押さえておくべきポイントです。

■ 直帰数
 ショップを訪問したユーザが、訪問直後のページで閲覧を止めて離脱した数です。広告とクリックした先のページの内容がずれているなどといった場合、直帰数や直帰する割合(直帰率)が高くなります。

■ 離脱ページ(出口ページ)
 外部リンク元の中で、検索エンジンから訪問した際に、ユーザーが利用したキーワードとなります。「どこから」といった点に加えて、「どんなキーワードで」来たのかが分かります。
 検索キーワードは、訪問者の興味や関心を表していますので、ショップにとってユーザーが何を求めているかが分かります。

■ サーバログ型
 サーバ内部に残されたアクセスログを集計して解析する方式となります。

■ パケットキャプチャ型
 ショップのあるサーバに更に別のサーバを繋いで、ショップを訪問した際の信号(パケット)を別のサーバに送ってログを取得、集計する方式となります。

■ Webビーコン型
 ショップ内のHTMLにJavaScriptなどのタグを埋め込んで、ショップにユーザが訪問するたびに、訪問したログを別のサーバに送って取得、集計する方式となります。

著者プロフィール

名前 竹内 亮介
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社環
サイト http://www.kan-net.com/

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