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「専門バカ」から脱却しよう (2/2)

2008年07月29日 09時00分更新

文●森本 繁生/合資会社 逸品 社長

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専門用語を翻訳する

 ある製造業のネットショップ店主が、新入社員に「棚卸しって何ですか」と聞かれて愕然としたとおっしゃいました。

 ここで「今時の若いモノは棚卸しも知らんのか」と怒る会社や上司には先がありません。よく考えてみてください、棚卸しなんて言葉は日常会話では使わないし、学校でも習っているかどうか怪しいものです。

 ネットショップ店主が書く文章は、中学生にもわかることを基準にしたほうがいいですね。

  • 代引き → 代金引換便
  • 決済方法 → お支払い方法
  • ウィッシュリスト → ほしい物リスト

 こんなところから始めてみましょう。


わかりすぎて当たり前のことを全部文字にして先に書く

 「領収書、見積書対応」と看板に書くだけで法人からの注文が増えます。

 これ、本当です。騙されたと思ってやってみてください。売っている側は当たり前過ぎて書かないのですが、案外こういうところでお客様は決めているのです。

 また、産地直送でよくあるのが食べ方の説明が不十分な例。

 ゆでたカニを産直で買う消費者で、届いた後にもう一度ゆでる人は多いのです。これは売る側からすれば信じられない話。でもそんなに食べたことがないから産直するのだし、食べ方なんて詳しくわからないですよね。

 ここで、きちんとした食べ方を届いた時に紹介できているかどうかが、実はリピーターになるか否かのポイントになっています。

 皆さんが当たり前すぎて書いていないこと、全部書きだしてください。それをきちんとお客様に伝える。効き目のあるコピーではこんなのもあります。

  • 創業○○年
  • マスコミ取材大歓迎
  • お電話でも注文できます

注文入力フォームにて

  • なぜ、メールアドレスは半角でなければいけないのか?
  • なぜ、ふりがなはカタカナでないといけないのか?
  • なぜ、郵便番号や電話番号は「-(ハイフン)」が入ったり入らなかったりするのか?

 皆さんいろいろと言い分もありましょう。でもお客様は間違えるものだし、小さなことであってもこちらの言い分に合わせてもらっているのも確かです。

 実は、売れているショップは

  • 自動的に全角を半角にするシステムを作っている
  • フリガナは変換が案外面倒なカタカナはやめてひらがなにしている。あるいはどちらかに変換するシステムを作っている
  • 「-(ハイフン)」は、あってもなくてもどちらかに自動変換するシステムを作っている

 これにより間違いも問い合わせもなくなるし、さらに入力で混乱して注文をやめることもない非常に合理的なシステムです。

 売れるショップは、本当にお客様の立場に立って、見えないところにお金をかけているのです。今一度、お客様の視点を取り戻しましょう!

著者プロフィール

名前 森本 繁生
会社 合資会社 逸品
サイト http://www.osmc.ne.jp/

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