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単品リピート通販(単品通販)のWebプロモーション戦略(2)

2006年10月11日 09時00分更新

文●前田 哲郎/アンダス株式会社

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 前回は、単品リピート通販(単品通販)のWebプロモーション戦略を広告媒体という側面からお話しました。今回は広告を見て(クリックして)訪れたユーザーが商品を買う場所(売り場)であるプロモーションページ(ランディングページ)について話をしたいと思います。

ネットユーザーの消費行動から考える

 ネットユーザーの「消費行動」を大別すると、

A「検索エンジンを経由する場合」
B「検索エンジン以外を経由する場合」

 の2つに分けることができます。

 この2つの「消費行動」を、アメリカのローランド・ホール氏が提唱した※「AIDMAの法則」ちなんで考えてみましょう。

※「AIDMAの法則」/消費者の消費行動における心理的プロセス・モデルで、大きく「認知段階」「感情段階」「行動段階」の3つプロセスに分かれる。「認知段階」はどういう商品があるかを知る段階。次の「感情段階」で、消費者は「その商品が好きか嫌いか」「その商品を手にしてみたいか」といった気持ちを判断し、関心が深まり「欲しい」となれば、最後の「行動段階」で「購入する」(あるいは「使ってみる」など)のアクションを起こすというもの。

1-A「検索エンジンを経由する場合」

 検索エンジンを経由してくるユーザーには、はじめから「目的とする商品が決まっているユーザー」と「そうでないユーザー」とが存在すると考えられます。

 たとえば明太子に興味・関心のあるユーザーが検索をする場合、「ふくや」という社名や「復刻」といった商品名で検索をするユーザーは、はじめから購入する商品や(その商品を持つ)会社が決まっていると言えます。
 逆に目的とする商品が決まっていないユーザーは、「明太子」や「辛子明太子」といった商品や社名を特定しないキーワードで検索をすると考えられるでしょう。

 加えて、目的とする商品が決まっていないユーザーの場合はいくつかの商品を比較した上で「購買」という行動に至ることも考慮すべきでしょう。

 検索エンジンを経由してくるユーザーの「消費行動」を図で表してみると次の図のようになります。

 これらの「消費行動」を踏まえたうえでそれぞれにおけるプロモーションページ(ランディングページ)の構成を考えてみましょう。

「目的とする商品が決まっているユーザー」の場合、もっとも訴求すべき部分は「今、買うべき」という点です。
 たとえば「今ならもれなく○○プレゼント!」や「○日まで20%OFF!」といったオファーを強調することでユーザーの購買アクションを後押しできるでしょう。

 では「目的とする商品が決まっていないユーザー」の場合はどうでしょう?
 まだ買おうとする商品が決まっていないユーザーは「比較」というプロセスを踏む可能性が高いと考えられますが、この場合ユーザーにとって重要になるのは、その商品を「買う理由」です。言い換えると、数多くある競合商品の中でその商品を選ぶための根拠を求めていると言えるでしょう。
 よってもっとも訴求すべき点は、「産地」や「製法」、「原料」や「成分」といった競合商品との「差別化要素」になります。

 「目的とする商品が決まっているユーザー」も「決まっていないユーザー」も共通して言えるのは、Attention(注意)、Interest(興味・関心)といった「認知段階」をクリアしているということです。

 ただ、単品通販という前提で述べている内容ですので、「行動段階」におけるAction(購買)はあくまで「初回購入」であり、それは「まず、試しに買ってみよう」という「お試し購入」ということになります。

 よって実際には、その後「2回目購入」で商品の良さを確認し、「3回目購入」で確信するといったプロセス(「引上げCRM」)を経たユーザーが、真の「顧客」と呼べる存在になるといえるでしょう。この「引上げCRM戦略」については、また筆をあらためて考えていくつもりです。

 今回述べた内容を踏まえたプロモーションページ(ランディングページ)を追求することでコンバージョンレート(購入率)をより高めていくことができるのではないでしょうか。
 次回は「検索エンジン以外を経由する場合」について考えていきましょう。

著者プロフィール

名前 前田 哲郎
会社 アンダス株式会社
サイト http://www.andus.co.jp/

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