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「キーワード競合度」を意識していますか?

2006年07月29日 09時00分更新

文●権 成俊/株式会社ゴンウェブコンサルティング 代表取締役

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 SEOという言葉はすでにご存知の方が多いと思いますが、SEMとなると言葉はご存知でも具体的なイメージが沸かない方が多いと思います。

 SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語で、アクセス対策において重要なYahoo! JAPANやGoogleなどのサーチエンジンの仕組みを理解し、自社にとって有利なキーワードで上位表示させるための手法のことです。
 このSEOの成否がネットビジネスにおける成否を大きく左右するため、SEOを中心にしてマーケティング、つまりネットビジネス全体を組み立てよう、という考え方がSEM(Search Engine Marketing)=「検索エンジンマーケティング」です。

 単にSEO+CPC広告(オバチュア、アドワーズなどの検索エンジン結果に表示されるクリック課金広告)を指すだけではありません

 たとえば、当社のSEMの手法は下記の6つのステップに分かれます。

  1. ターゲットのモデル化
  2. 検索キーワードのリストアップと評価
  3. ターゲットキーワードをベースにしたサイト設計
  4. SEOを軸としたサイト制作
  5. サイト制作後のSEO
  6. アクセスログからの検証と改善提案

 当コラムでは、上記のSEMの手法の中で、特にキーワードの考え方、評価の方法とサイトへの実装の方法についてご紹介してゆきます。

なぜキーワード選びが重要か?

 たとえば、ウェブ制作会社が自社のWebサイトを制作します。多くのサイトはウェブ制作、ホームページ制作など、多くのキーワードでの上位表示を目指します。しかし、SEOというのはそんなに都合の良いものではありません。検索エンジンはユーザーに最適な情報を届けることを目的として検索結果を表示します。そのために、そのサイト(ページ)をユーザーに紹介する上で最適なキーワードでの上位表示を行います。あるページにとって、そのテーマと一致するキーワードはそう多くはないはずです。

 ですので、そのページにとってもっとも重要と思われるキーワード以外ではより最適な他のサイト(ページ)を紹介します。技術的な見方をすれば、サイトの被リンク数のように点数を積み上げるものとmetaキーワード(meta keywords)やタイトルなどのように、決まった点数を分け合うものがあるので、多くのキーワードで対策を行うと後者の要素で点数を分け合ってしまい、結果的にどのキーワードでも上位に出にくくなるのです。
 そのため、SEM的な考え方ではSEOを行うターゲットキーワードは1ページで1キーワード(もしくは1キーワードセット)が原則です。そして1つしか選べないなら一番良いキーワードで対策をしたい、と思うわけです。

 たとえば、「Web制作」というキーワードをターゲットキーワードと決めるとします。しかし、「WEB制作」というキーワードはたくさんのWeb制作会社が上位表示を狙ってSEOを行っているので、そう簡単に上位には表示されません。たとえば頑張ってYahoo! JAPANで30位に表示されたとすればそれはなかなかすばらしい成果です。

 日本中のSEOを研究している制作会社の中で30位になれたのですから。しかし、残念ながら30位に表示されても閲覧者はほとんど増えないでしょう。なぜなら、検索エンジンの検索結果ページは平均して2ページ目までしか見られないという調査結果があります。つまり、20位までしか見られないのです。そうなると、20位までに表示されることがSEOが意味を持つための必要条件となります。
 20位以内に表示できるかどうかはキーワードによって異なりますが、自社のサイトとの関連性だけでなく、そのテーマでの人気の高い競合サイトが少ないことも重要です。そのため、キーワードを選ぶときにはそのキーワードで上位表示させるための競合状況を調べる必要があります。
 これがキーワード競合度という考え方です。

著者プロフィール

権 成俊
名前 権 成俊(ごん なるとし) info[アットマーク]gonweb.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ゴンウェブコンサルティング
サイト http://www.gonweb.co.jp/

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