読者の方から質問をいただきました。
「イラストを入れたいのですが、イラストレーターさんはどうやって探せばいいですか? また、見つかったとして、料金の相場や、どのように依頼すればいいのかなども教えてください」
(長野県松本市・化粧雑貨販売のM・Hさん)
この質問は、カメラマンを探すのと同様によく聞かれることです。
わたしは雑誌、書籍、Webサイトの編集を行っていますが、どの媒体でも、イラストを使用することは読者への説得力が生じてページが明るく元気になるため、とても有効だと考えています。
家電や家具に必ずついてくる説明書には、イラストで組み立ての段取りや使用手順、注意事項が描いてありますね。わたしたちはイラストを見てその商品の使い方、使用イメージを瞬時に理解しています。
ECショップのWebサイトでも、イラストを使うことをぜひ、おすすめします。
イラストを使って商品を紹介することは、見込み客のイメージを想起することになります。写真を使うこともよくありますが、写真の場合はリアリティが高いため、商品紹介などの場合はイメージが固定されやすくなります。
イラストなら、閲覧者が自分のライフスタイルに応じて商品を使用する図を想像しやすいというメリットがあります。さらに、写真では表現できない世界、ユーモアも伝えることができるので、そのサイトに花を添える、面白いものにするチカラがあります。
イラストレーターを探す方法とは!?
冒頭のMさんからの質問に答えておきましょう。
Q.イラストレーターさんはどうやって探せばいいですか?
ひとつには、ネット上で探せます。ビジネスマッチングのサイト、楽天ビジネスのサイト、イラストレーター個人のサイトなど多数存在します。プロフィールやサンプル、実績、料金を見て選ぶことができます。
また、大学や専門学校のイラスト部、デザイン部、漫画研究会などに連絡するという方法もあります。こちらはアマチュアになりますが、学校側はウエルカムです。
まずは「描きおこしでなくてもいいから安く」という場合は、ネット上にある「フリー素材集」をあたるという方法もあります。「イラスト フリー素材」などで検索をかけるとかなりの数がヒットします。が、よくできたフリー素材はあちらこちらですでに使用されていることが多く、閲覧者が「あ、フリー素材だ」と気付いてシラけてしまうことも考えられます。
さらに、イラストが上手な人というのは案外多くいるもので、周囲にちょっとイラストが上手な人がいないかを探すという手もあります。
もちろん、プロとアマチュアでは、制作のプロセスも意識も仕上がりも大きく違います。フリー素材はやはりタダはタダ、陳腐な雰囲気のものが多いです。
「安く頼みたいから」というキモチでアマチュアに依頼してけっきょく失敗するということはよくあるので、そのあたりはあらかじめ注意しておきましょう。
イラストの依頼には、自分のイメージをしっかり伝えることがポイント
Q.どのように依頼すればいいですか?
上手な依頼のしかたというものがあります。まず依頼する前に、イラストレーターに何をどのように描いてほしいのか、を整理しましょう。
イラストレーターを選ぶ段階では、何の媒体に(ECショップのWebサイト)、どんな読者層に(男性か女性か、年齢層、嗜好などしぼって伝える)、どのような目的で(商品の紹介に付随するイラスト。組み立て手順や商品を使っているお客さんのイメージ図など)、何点か、どんな色合いで(Webサイトの場合はカラーで依頼を)、1点のだいたいの大きさ(Webサイト上で使用する横幅ピクセルのサイズ)、そしておおまかでも納期と予算(後述)を伝えます。
イラストレーターも、カメラマン同様に風景を得意とする人、若いおしゃれな女性が得意、動物系が得意、小さな子ども向きタッチが得意、あるいは電化製品は不得意など、得意分野と不得意分野があります。イラストレーターを選択する際にネット上などで見本をよく見て、イメージに合うかどうかを見極めてください。
話が決まっていざ依頼となると、発注の目的、イメージとする絵をしっかり伝えることが大切です。イメージはほかのイラストレーターのサンプルから選ぶ、雑誌や本からイメージに近いものを選ぶ、あるいは自分でラフを描いて渡す(幼児の絵のようにヘタなラフでもあるほうがよい)と、イラストレーターもイメージがつかみやすく、話が前に進みやすいものです。
その後、まずは鉛筆描きのラフがFAXやメール添付のファイルで届きます。それをたたき台に、「ここをもっとこうしてほしい」など意見を伝え、色をつけたできあがりまで数回のやりとりを続けます。
納品には、実際に使用するサイズより30~40%大き目のJPGファイルで送ってもらいましょう。レイアウト時に調整しやすくなります。
注意点としては、イラストレーターに発注するのが初めてだからといってあまり気を使いすぎずに、とにかくあきらめずに自分のイメージを伝えることです。たいていの場合、イメージ以上のものが仕上がってきます。
いいイラストが仕上がるようにイラストレーターの個性、腕を見て、彼らのモチベーションがあがるように付き合うことは「売れるWebサイト編集術」のひとつです。
イラスト料の相場は1点3000円~2万円
Q.料金の相場は?
イラストレーターの実績、何の媒体に使うか、使用目的、サイズ、カラーかモノクロかによって大きく違いますが、Webサイトで使用するための1カットは¥3,000~¥20,000が相場です。10点以上など複数になれば、グロスでいくら、などの予算交渉ができる場合があるでしょう。
たいていのイラストレーターは料金を設定していますが、よほど著名な人でない限り、まずは発注側の予算を聞いてくるでしょう。予算交渉の余地があるということです。
料金を聞いて交渉する、あるいは予算を伝えてみるなど、交渉ごとは他のお仕事と同様にケースバイケースです。
イラストの場合は個人で活動する人が大半で、「納品されなかった」「大幅に遅れてきた」「イメージとまったく違うものがあがってきた」などというトラブルもありえます。最初に納期と料金について書面で約束するなど、まずは発注側が誠意を示し、よい仕事になるように配慮しておくのが成功の秘訣です。
プロのイラストレーターに一度発注してみると「さすがはプロ!」と、そのありがたさを実感するはずです。自分では思い描けなかった要素、世界を提案してくれます。
自分のサイトのためにオリジナルの絵を描いてもらって、10点依頼しても数万円でおさまるのです。それでWebサイトの魅力がグンとアップするのですから、安い投資ではありませんか。
ぜひ、検討してみてください。
※本編が長編になったため、「今週の耳寄り情報」はお休みします。
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
---|---|---|
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。 | ||
会社 | 株式会社ユンブル | |
サイト | http://www.yumble.com/ |