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商品を紹介するキャッチコピーのつくり方(8)――編集の方程式4・できあがったら推こうする 前編

2008年05月29日 09時00分更新

文●朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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本文印刷

時間をおいて必ず読み直す。修正する。

 キャッチコピーをつくることの仕上げは、なんといっても「推こう」することです。推こうとは、小学生時代に作文の時間で習ったように、「書き終えたら、読み直して文を修正すること」です。そんなことはあたりまえだ~と思う人もいらっしゃるでしょうが、みなさんはきちんと推こうを行っていますか。

 推こうにも、いろいろな方法があります。ここで手を抜いてはいけません。
 第一に、「読み直す時期」がネックです。つくってその場で読み直しただけでは推こうにはなりません。キャッチコピーをつくったアタマと同じアタマで読み直しても、修正したい点は見つからないからです。

 最低、24時間はおきましょう。その間、徹夜ではダメです。まる1日、原稿を寝かしてから、すっきりとしたアタマで読み直すのです。できれば、3日ほどおくといいでしょう。3日もたてば、あなたのアタマには違う情報がぎっしりつまっているので、もはや別人が書いたかのようにクールに読み直し作業ができるはずです。

 この作業は、キャッチコピーだけでなく、本文はもちろんのこと、写真のキャプションや写真、デザインに対しても同様に行ってください。1日~3日ほど間をおいてから再度チェックをする。すると必ずや、訂正するべき事がらが見えてくるでしょう。

キャッチコピーも写真もデザインも、紙に印刷してから推こうする。

 文の推こう、写真やデザインをチェックするにあたって大切なのは、「モニタ上で見直すだけでなく、プリントアウトしてから行うこと」です。
 光をガンガン発しているモニタが、目や脳によくないのは周知の事実です。モニタ上でチェックすると、紙を見るより目も脳も疲れるため、集中力が半減します。プリントアウトしてはじめて、誤字脱字や修正したい点が見つかるということは多々あります

 プロの校正者、編集者、コピーライターは必ず、紙に印刷してからチェックをします。モニタ上では間違いを見過ごしているのが常だからです。
 編集企画、広告物制作、ホームページ制作のコンサルタントをしていていちばん驚くのは、ネットショップ運営に携わる人たちが、何もかもモニタ上で済ませようとすることです。ほとんど印刷をしない。わたしがいちばん口をすっぱくして皆さんにお伝えしているのは、これを改めることです。
 デザインはもちろん、写真もプリントアウトしてはじめて、アングルを変えたほうがいいとか画面に不要なものが入ってしまっているなどということに気づくものです。

 みなさんは、小中学生がパソコンだけで勉強しているのを見たら、放っておきますか。ノートと鉛筆も使って勉強するように注意をするでしょう。それと同じことです。紙と鉛筆で考えて、パソコン上で表現し、紙と鉛筆で修正作業を行い、それをパソコン上に再度アップする。
 アナログ頭で考え、アナログ頭で修正する。そのようにして間違いのないWebサイトができあがっていきます。

 推こうのポイントは次回後編につづきます。

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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