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株式会社ナチュラム 代表取締役 中島成浩氏 (前編)

2007年11月16日 09時00分更新

文●とこ みゆき/サポタント株式会社

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 今回は、10月19日にヘラクレスへ上場されたばかりの株式会社ナチュラムの中島社長を取材してきました!

 サイトでの取扱い商品はなんと20万点以上というアウトドアとフィッシングの世界最大級オンラインショップ、ナチュラムhttp://www.naturum.co.jp)を運営されています。

ネットショップ業界でビジネスをされているなら、ほとんどの方がご存知のサイトではないでしょうか。
それでは早速、株式会社ナチュラムの人材育成・管理などのお話を聞いていきましょう!

会社の本業に集中できる体制をつくる!

 こんにちは!上場おめでとうございます!上場はいつ頃から計画されていたのですか?

中島氏(以下敬称略) 株式会社ナチュラムを株式会社ナカジマから独立させた2000年です。独立させるときに上場を目指す計画を立てました。

 そうなんですね!中島さんが上場したかったとか、資金調達をして投資したいことがあるからとか、社員のモチベーションアップのため、などいろいろ上場理由はあると思いますが、どういう理由から上場を目指されたのでしょうか。

中島 資金調達が必要だったからです。株式会社ナカジマ時代、実店舗の傍ら、サイトを立ち上げ、運営を開始したところ、売上が急増し1999年には月商1000万円を達成し、各賞を受賞させていただきました。ただし、一方ではいきなり注文件数が数倍になってしまったため、バックヤードがパンクし、現場が大変なことになりました。ドンドン注文はいただけるけれど、手配が全く追いつかないという感じです。うれしい悲鳴というよりも、現場は悲惨な状態でした。

 そこで、これはきちんとしたシステムを導入して、注文数が増加し続けても、きちんと対応できるようにしなくてはいけないと考えました。ただし1999年当時では、安価な顧客管理ソフトなど、Eコマースに関する便利なツールはありませんでしたから自社開発するという選択肢しかありませんでした。いきなり、多大な資金が必要になったわけです。売上については、以降も伸びることが予測されましたから、
 (1)システム投資し、Eコマース事業を続ける
 (2)Eコマース事業から撤退する
という2択からの選択をいきなり迫られたのです。Eコマース事業については、非常に手ごたえを感じていましたので資金を外部から調達し、上場を目指すことを決意しました

 では、資金を調達し、システム開発を進められ、今の素晴らしく効率のよい運営体制ができてきたのですね。いつもナチュラムさんの会社見学会に参加した皆さんは、非常にスムーズな業務フローに感動されています。現在、従業員数は何人いらっしゃるのでしょうか。

中島 社員が50人で、アルバイト、パートを入れても60名程度です。この人数で、Eコマース事業のほか、ECソリューション事業をしています。

 え、減りましたね?確か、3年前に訪問させていただいたときはは70~80名おられたように記憶しています。しかも当時は、ハイシーズンに役員さんまで梱包や発送業務のため夜でも集合がかかって、作業されているというお話を聞き、大変そうでした。あれから売上も利益も2~3倍に事業を拡大されているのに、運営体制はスリム化されたのですね。

中島 確かにその頃は、3交代制で対応していたこともありました。その後、自前で運営していた物流センターを全面的に外部に委託したことがスリム化の大きな要因です。

 今は全く物流をされてないのですか?

中島 物流は確かにEコマース事業を運営する上で必要な業務ですが、Eコマース企業の本業ではないと判断したのでやっていません。たとえば自前の物流センターを持っていると、何かトラブルがあれば、自分の業務と直接関係ない社員まで借り出され、対応することもあります。そうすると本来の、商品を仕入れるというMD業務や、販売やプロモーション、という本来やるべき業務がストップしてしまいます。こうしたことを避けるためにも、物流は「物流を得意とする会社」にお願いすることに決めました。
 幸い(?)今、お願いしている物流倉庫はかなり離れた場所にあるので何かあってもすぐには行けないということもあり、それが社内での割り切りにもつながりました。結果、本来のEコマース企業の本業に集中できる体制になりました。

 そのほかに委託されている業務はありますか?

中島 商品登録などの入力作業を外部に委託しています。これもEコマース事業としては必要な業務ですが、社員がどうしてもやらないといけないことではないからです。

 ウェブデザインという仕事も外部に委託できる作業とお考えですか?

中島 そうですね。実際にナチュラム内にデザイナーもいます。ウェブデザインについては、外部に委託したほうが効率もクオリティーも高い場合もあり、委託できる業務だと思っています。こうして、他社にお願いできるところはお願いして、Eコマース事業でのプロモーションやMDなどの本業にもっと集中できるようにしていきたいと思っています。

――後編へ続く

著者プロフィール

名前 とこ みゆき happy[アットマーク]supotant.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 サポタント株式会社
サイト http://www.supotant.com/

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