「顧客が誰なのか」を語ることができるか
第2回まででみなさんは、みなさんのWebサイトを読んでくれる読者層を知ることができました。つまり、販売する相手の具体的な情報を得ることができたということになります。
その情報と知識が正しいかどうかは、ショップのオーナー、あるいは責任者であるみなさんのことですから、「正しいな」とか「追求が足りないようだ」という勘が働いてくるでしょう。もしも何かが足りないとか、ずれているなと感じた時は、何度でも「読者を追求する作業」を繰り返してください。
そして、「うちの顧客は誰なのか」を語ることができるようになってください。
読者の想定を間違ってしまうと「顧客が誰なのか。どこにいるのか」を理解していないことになり、Webサイトはおろか、あなたの商品もスタッフもショップそのものも、すべてにわたっての投資がパーになりかねません。危険です!
それに最後の確認段階で、自分が想定した読者層が正しいかどうかの勘が働かない人は、あきらかに勉強不足か意欲不足です。
売れるWebサイトを作ることができる人とは、“文章が上手で写真はプロ並みだしデザインも天才的だ”という以前に、商品の知識と情報、商売の経験を貪欲に追い求める姿勢を持ち、あらゆるものへ知的好奇心をめぐらし、人生への興味関心がつきず、自分自身のこだわりで仕事をこなしていく人です。何事も面倒くさがらず、「良質なWebサイトづくり」をあきらめず、ド根性でものごとを追求していく人です。
伝えたいことを、かたっぱしから紙に手で書いてみる
「誰に」を追求したあと、次に考えるのは「何を伝えるのか」ということです。
何を伝えたいのか、どんな言葉を使うのか。第1回と第2回で例示した<例1>の読者層から考えてみます。
例1 インテリアブランドの通販ショップ
Webサイト全体の読者―「アスキーインテリア」を通販で入手したい20歳~50歳の女性
- A 商品の読者―30歳前後のシングル向き家具を揃えたい独身女性
- B 商品の読者―20歳代のアウトドア用デスクセットを探している年収800万円前後の夫婦
A 商品の読者に何を伝えたいのか。
- 商品のデザイン性の高さ
- 商品の素材の品質
- 商品の利便性の高さ
- 商品のオリジナリティ
- 1~4を考え合わせると、他社の同類商品より料金が安くてお得であること
- 当ショップのブランド性
- 1~6を考え合わせ、商品の正当性を主張したい
このように、まずは簡潔に、伝えたいことの骨子を並べてみます。練習に、B商品の読者に伝えるべきことを書いてみてください。
そして、その骨子を読者にどのような文章で伝えるといいのか。ここからあなたの文章力が発揮されます。
みなさんの商品がどんなに良質なものであったとしても、その情報をWebサイトの画面を通して読者に伝えることができなければ、商品の良質さは泡と消えてしまいます。読者に商品を購入してもらうというアクションを起こしてもらわなければ、商売をする意味もありません。
では、”売れるWebサイト”をつくって読者のアクションは、どのようにして起こできるのか。どのような力が必要なのか。
それは、商品を紹介する文章の力によるのです。そう、文章力!
伝えたいことはいっぱいあるのに、何と書いていいのかわからない、書き出しが浮かばないとうなっているみなさん、さあ、紙と鉛筆を用意してください。はい、文章をつくるのは、その作業からすべてがはじまります。それでは、何でもいいので、商品やショップについて頭と心に浮かんだことばを紙に、ノートに、書きなぐってみましょう。
この第一段階ではたいてい、どんなプロでも、「あとから読み返せば情けない文章だった」と言います。まだ誰にも見せない段階だし、上記のA商品を例にとると、「独身のお嬢さん、うちの家具はシングル向きにコンパクトでおしゃれで丈夫のうえに安いですよ」とか、「素材に自信があるからだ」とか、まずは感情のおもむくままに書いてみればいいのです。とうてい文章になっていなくてもダサくても、書けばそこから文章づくりがはじまります。書かなければ何もはじまりません。
ちなみにこの第一段階では、パソコン上に文字を打つのではなく、紙に自分の文字で、手書きでつづってください。勉強はアナログ式で実行しましょう。デジタル文字は頭を悪くします。アナログ式のほうがはるかに文章力、発想力が養われますよ。
著者プロフィール

名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
---|---|---|
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。 | ||
会社 | 株式会社ユンブル | |
サイト | http://www.yumble.com/ |