起動時間が高速なのは「BDP-S350」
最後に、各機種の起動時間と再生までに要する時間、「Blu-ray Disc Java」(BD-J)のロード時間をそれぞれ計測してみた。
起動時間とBD-Jのロード時間が高速だったのはソニー BDP-S350で、再生開始時間が速かったのはパナソニック DMP-BD60。ただしこの2機種はどの項目においても大きな差はなかった。
パイオニアは起動時間が遅めだが、これはクイック起動モードを搭載しないため。他の2機種はクイック起動モードにより高速起動が可能だが、反面待機時の消費電力が上がる。例えばDMP-BD60の待機時消費電力は0.4Wだが、クイック起動を有効にしていると5Wになる。
参考のため、PS3での時間もまとめておくと、起動時間は18秒51、BDソフト再生はディスク読み込みは9秒37、再生時間は20秒51、BD-Jのロード時間は7秒76だ。
BDプレーヤー3機種機能比較 | |||
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ソニー BDP-S350 | パナソニック DMP-BD60 | パイオニア BDP-320 | |
起動時間 | 6秒52 | 8秒83 | 22秒87 |
BDソフト再生時間 | 25秒58 | 22秒10 | 28秒38 |
BD-Jロード時間 | 29秒72 | 32秒14 | 33秒76 |
BDソフトの再生ではいずれも十分な実力
BDソフトの再生では、どのモデルも不満のない高精細さを感じることができ、ハイビジョンの高画質を堪能できるものとなっている。
音についても、ドルビーTrueHDやDTS-HDマスターオーディオの臨場感豊かなサウンドをしっかりと再現していた。DVDソフトも基本的にはBDと近い表現だが、解像感を高める処理などでそれぞれに違いが現れていた。とはいえ、その実力は極めて高く普通のDVDプレーヤーなどでの映像を見ている人に見せてみれば、「BD版ってきれいだね」とうれしい勘違いをしてくれそうな実力はある。DVDソフトを数多くコレクションしている人にとっては、BDだけでなくDVDの画質向上が得られることも魅力といえそうだ。
各モデルの画質・音質の個性においてはそれぞれに特徴があるが、個人的にもっとも好ましいものを挙げるとするならパイオニアのBDP-320。ただし玄人好み、というか少々地味な印象もある。
総合的には10万円前後の普及価格帯にあるBDレコーダーと遜色のない実力と言えるだろう。HDD/DVDレコーダーなどで、すでにデジタル放送を録画して楽しんでいる人が、BDソフトも見てみたいという場合には、価格的な身近さも含めて購入を真剣に考えてる価値はあると思う。