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グーグル製多変量テストツール「オプティマイザー」

2009年05月27日 08時00分更新

文●小泉貴幸/通販旬報社

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グーグルを筆頭とするさまざまな企業が、無料で使えるWebマーケティングツールを提供している。SEO/SEM、LPO、アクセス解析ツールなど、ネットショップやプロモーションサイトを運営しているなら、使わない手はない。“使えるツール”だけを全部で30本、月曜~金曜日までの毎日1本ずつ紹介する。 ⇒ラインナップ一覧

本日紹介するサービス:『Google Webサイトオプティマイザー』


 Webページに表示するテキストの内容や、レイアウト、配色、画像と文字の割合などを改善することで、商品の購入や資料請求といったコンバージョンは高められる。たとえば、ネットショップなら見出しや画像をちょっと替えたら急に商品が売れ出した、資料請求フォームの送信ボタンのラベルを変更したら申し込み件数がアップした、といった経験がある方は少なくないだろう。

 従来、こうしたWebサイトの改善作業は、Web担当者やネットショップオーナーの過去の経験に頼ったり、試行錯誤を繰り返したりしながら「正解」にたどり着くしかなく、コンバージョン率を改善するのは大変だった。無数にある画像やテキストの組み合わせをいくつも作って試して効果を検証する――という作業は、潤沢な予算や人員に余裕がある大企業ならいざ知らず、中小のサイトではほとんど実施できなかった、といってもいい。

オプティマイザー

2種類のテストを実施できる「Google Webサイトオプティマイザー」


 グーグルが提供する「Google Webサイトオプティマイザー」は、こうした改善作業を“自動テスト”と“効果測定”によって手助けしてくれる無料ツールだ。見出しや画像などの複数の素材を用意しておくだけで、さまざまなパターンの組み合わせテストを自動的に実施する。テスト結果は、コンバージョン率の高いパターンが一目で分かるレポートとしてまとめてくれるので、レポートを見ながらサイトのデザインやコンテンツを改善していけばいい。

 実施できるテストは、同一ページの異なるバージョンを比較する「A/Bテスト」と、ページ内の画像やテキストなどの部分要素の組み合わせを比較する「多変量テスト」の2つ。いずれも、テストを開始する前に測定対象となるテストページとコンバージョンページを設定しておき、テストページを訪れたユーザーのうち目標ページまで辿り着いた割合をパターンごとに算出する。

オプティマイザー

A/Bテストの設定画面。比較するページのURL、コンバージョンページのURLを設定する


 管理画面は、「Google AdWords」などのグーグルのサービスを使っている人には馴染みやすい構成で使いやすい。設問に答えると発行される制御スクリプトとトラッキングスクリプトを既存のページに埋め込めばすぐに利用可能。Google Webサイトオプティマイザーは、ページ内の見出しや画像を取り替えながらPDCAサイクルを回したいと思いつつ、「なかなか手が回らない」と嘆いている Web担当者に便利なサービスだ。

 もちろん、サイトが自動的に改善されるわけではなく、テスト用のコンテンツを用意する手間や人の目による修正作業は欠かせないが、手軽に利用できる“お助けツール”として、ぜひ使いこなしたい。

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