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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第74回

iモードブラウザ2.0は世界のケータイとの融合を進める?

2009年05月26日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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JavaScriptへの対応など
大幅に機能が強化された「iモードブラウザ2.0」

 ドコモが提示したiモードと世界ケータイの融合のファーストステップは、iモードブラウザの進化だ。すでにNTTドコモのウェブサイト内にある「作ろう!iモードコンテンツ」には、「iモードブラウザ2.0」というページが用意され、仕様が公開されている。

iモードブラウザ2.0の情報サイト

ドコモのサイトではすでにコンテンツプロバイダー向けにiモードブラウザ2.0で追加された機能や、それを確認するためのエミュレータ環境などが用意されている

 これまで100KBまでのサイズだったキャッシュが500KBに拡大され、QVGAサイズが基本だった画面サイズにはVGAモードが追加される。文字コードはSHIFT_JISとUTF-8に対応。さらにCSSへの対応、Cookie対応、JavaScript対応、そしてFLVのページ内再生への対応など、ブラウザの機能が非常に強化されているのが特徴だ。

 これらの対応は、iモードブラウザとフルブラウザやスマートフォンのブラウザ、パソコンから使うブラウザとの間の垣根を小さくしていく。具体的には、ブラウザ上で動画再生が出来るようになったり、Ajaxを活用するウェブアプリを、ケータイから利用できるようになると考えられる。

 もっともこれは、理論的には可能という類の話であって、PCで動くAjaxのサイトがどこまでケータイでキレイに動くか、端末間での動作、画面サイズの関係など、検証や調整をすべき要素はたくさんあるが、数々のウェブアプリを少しでも簡単にケータイの上でも動かせるようになるなら、とても歓迎すべき進化だと思う。

 新しいiモードブラウザ2.0は、これまでのiモードブラウザ1.0と、操作性の点で大きく違うところがある。1.0ではページ閲覧中、上下のボタンのみでスクロールし、またリンクのフォーカスを移動させていた。左右のキーは、閲覧しているページの「戻る」「進む」の役割を果たしていて、パケット代を節約しながらページ遷移するのに役立ってきた。

 しかし2.0では、リンクのフォーカスに、上下だけでなく左右のボタンも使えるようになった。既存のケータイで言えば、ソフトバンクのブラウザの使い勝手と同じようになった、と言える。夏モデル以降に機種変更するユーザーは、慣れるまで、ついついページを戻るときに左キーを押してしまうことになるだろう。

iモードブラウザ2.0の機能を使っている「ケータイ週アス」を最新端末(P-07A)で表示した一例。左画面で「製品レビュー」という文字の左にある▼をクリックすると、メニューがゆっくりと閉じて、真ん中のような画面になる。これはJavaScriptを用いて実現している機能だが、旧ブラウザを搭載する機種では画面左下のようにその▼自体が表示されない

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