週刊 PC＆周辺機器レビュー 第7回

ダブル地デジ搭載の洗練された一体型 VALUESTAR N

記録型BDと地デジチューナーをダブルで搭載

　VN790/TGは、地上/BS/110度CSデジタル放送のチューナーを2基内蔵し、裏番組も録れるダブル録画に対応している。2画面同時視聴ができないのはやや残念だ。もちろんダビング10にも対応している。HDDの容量は1TBと余裕で、興味のある番組を片っ端から録画できるし、記録型BDドライブを搭載しているので、ハイビジョン画質のままBDメディアに番組を残せる。なお、画質は4段階で選べるが、ダブル録画の場合、片方の番組は常に最高画質（MPEG-2 TSそのまま）のダイレクトモードで録る必要がある。

　本体右側面に、「明るさ調節つまみ／画面消灯ボタン」を備えているのはパソコンならではか。映像と音声だけをオフにできるので、予約録画時に役立つ。つまみを上下に動かすと、液晶バックライトの明るさを調節できる。

本体左側面。メモリーカードスロットやIEEE 1394、音声入出力、USB×1を備える

　スピーカーの出力は3W×2で、高音質化機能の「MaxxAudio」を採用している。音質はパソコンの標準レベルといった程度で、通常のテレビ番組なら問題ないが、映画を楽しむのには少々迫力不足かもしれない。

　インターフェース類は最低限と言っていい。USBを6ポートとIEEE 1394、有線LAN、音声入出力とアンテナ端子を備える。左側面のUSBポートは「パワーオフUSB充電機能」に対応しており、パソコンの電源がオフでも、iPodなどのUSB機器の充電が可能。B-CASカードを装着するスロットが見あたらないが、これは背面のカバーをコインなどで外すと現れる。

本体背面。USB×4と有線LAN、地デジアンテナ端子を備える

弁当箱のように巨大なACアダプター。Xbox 360のACアダプターほどではないが、かなり大きい

オシャレで省スペースなテレビ＆BDレコーダー＆パソコン

　本体スペックにも触れておこう。CPUはCore 2 Duo E7400(2.80GHz)。メモリーは4GBを搭載し、OSはWindows Vista Home Premiumの32bit版を採用する。Windowsエクスペリエンスインデックスは、CPU（プロセッサー）が5.6、最低のグラフィックスでも4.7ある。特筆するほど速いわけではないが、ヘビーな作業も楽にこなせる。グラフィック機能は、チップセット内蔵型としては高性能なGeForce 9400を搭載する。ゲームもそれなりに動かせるが、高品質な3DゲームをフルHDの解像度で動かすのはさすがにつらい。

VN790/TGのWindowsエクスペリエンスインデックス。最低値でも4.7となかなか高性能

　VN790/TGは、ハイエンドパソコンと言うほどの機能を備えているわけではないが、本機でできることの幅広さを考えれば、20万円台前半の価格はお買い得だ。綺麗な液晶テレビ＋HDD/BDレコーダーが使えるスタイリッシュなパソコンとして、評価できる製品である。

　 　 　 　

VALUESTAR N VN790/TG
CPU	Core 2 Duo E7400(2.80GHz)
メモリー	4GB
グラフィックス	GeForce 9400チップセット内蔵
ディスプレー	21.5型ワイド 1920×1080ドット
HDD	1TB
光学ドライブ	記録型BDドライブ
テレビ機能	地上/BS/110度CSデジタル放送チューナー×2
無線通信機能	IEEE 802.11a/b/g/n(Draft 2.0)
カードスロット	トリプルメモリースロット（SD／SDHCメモリーカード、メモリースティック／PRO／PRO-HG デュオ、xD-ピクチャーカード対応）
インターフェース	USB 2.0×6、IEEE 1394、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ	幅538×奥行き193×高さ388mm
OS	Windows Vista Home Premium SP1 32bit版
予想実売価格	23万5000円前後

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。Netbookからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートPCは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、PCやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」（講談社）。

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