このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

すっきりわかった!仮想化技術 第4回

アプリから見たOSを仮想化する

パーティショニングによる仮想化とは?

2009年05月22日 09時00分更新

文● ネットワークマガジン編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

パーティショニングのメリット・デメリット

 パーティショニングはOSの本体が1つで、アプリケーションから見た仮想OS環境だけを複数用意するため、リソース消費量が少ないという利点がある。ハイパーバイザ型で同じ仮想OSを動かす場合、メモリにロードされたOSカーネル部分はほとんど同じものであり冗長だ。しかしパーティショニングではOSの部分は共通なので、無駄を省くことができる。

 パーティショニングとハイパーバイザ型両方の製品を備えるパラレルズのデータによれば、同一ハードウェアで比較した場合、パーティショニングではハイパーバイザ型の2~10倍の仮想OSを稼働できるという。

 また運用面では、アプリケーション同士を隔離した状態で運用できるため、万が一クラックされた場合に、被害を最小限に抑えることができるという点が挙げられる。

 また性能の点でも、仮想ハードウェアのエミュレーションや、ハイパーバイザとゲストOS間の遷移といった問題点がないためオーバーヘッドが小さく、性能低下を起こしにくい。

 一方デメリットとしても、OSが1つであることに起因するものがほとんどだ。たとえば、LinuxとWindowsのように異なるOS同士を、パーティショニングで同時に動かすことはできない。またホストOSがクラッシュした場合、すべての仮想OS環境が道連れになる。システム全体として安定した運用を実現するためには、ホストOSの安定性がより重要となる。

 ハイパーバイザ型仮想化とは異なったレイヤで仮想化を実現するパーティショニングは、ハイパーバイザ型を置き換えるものではない。用途に合わせて最適な仮想化の仕組みを利用するとよいだろう。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事