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ついにドコモから登場!

Androidは日本のケータイにチャンスか、ピンチか?

2009年05月20日 09時00分更新

文● アスキー総合研究所

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遠藤 実際の端末に触ってみた感じはどうでしょうか?

矢崎 Windows Mobile端末でもiPhoneでも、結局GmailとかGoogleカレンダーといったGoogleのサービスを使っていることが多いんです。だから、それが統合されているだけでも、Andoroid端末の使い勝手はよいと思っています。

アスキー総研遠藤所長

アスキー総合研究所所長 遠藤 諭

平出 ただ、モバイルに特化されたiモードのようなサービスに慣れた日本のユーザーは、こっちには移りづらいのではないでしょうか。

矢崎 おサイフケータイも現状は載っていないですからね。

平出 日本で売る端末には、どちらもいずれ入ってくるでしょう。ただ、Googleとしては、もともと日本はあまり重視していないと思います。

 例えば、ネットに接続できない携帯電話の多いアメリカなら、Androidを出すことで、これまで携帯電話からインターネットに接したことのない人にも、接続する機会を提供できます。そしてGoogleには、世界中の人がインターネットにつながってほしいという、さらに大きな展望があります。だから、PCも、携帯電話も持ったことがない人に、Android端末を使ってほしい。台湾メーカーが100ドル以下のAndroid端末を作ろうとしていますが、そういった端末で、アメリカから発展途上国まで、1人でも多くのユーザーがインターネットにつながる世界にしたいとGoogleは考えているはずです。

 もっとも、ノキアが「Symbian OS」をオープンソース化したことで、そういったGoogleの目的はある程度達成できつつあるとも言えます。Symbian OSが普及しても、Googleにとってはハッピーです。画面が大きくて、ネットにつながって、Googleのサービスにアクセスできる携帯電話が出てくればよいわけですから。

遠藤 とはいえ、日本の端末メーカーも、手をこまねいているわけにはいかないですよね。

平出 日本に閉じこもっていては、終わってしまいます。なので、日本の端末メーカーは、Androidでもう一度世界に出ればいいと思います。技術力はあるのですから。

矢崎 ただ、日本で売れる端末と、世界で売れる端末は違いますよね。ノキアが撤退したくらい、日本市場は特殊です。ですから、日本でAndroid端末は、Blackberryよりは売れるけれど……。

平出 iPhoneほどは売れないかもしれません。なので、サムスンのように日本用と世界用とを切り分けるとかですね。アプリケーションにしても、日本のアプリをAndroid用に作り直したら、実はかなり世界で売れるのではないでしょうか。「Android Developer Challenge」(Googleが開催した、Android用アプリケーションのコンテスト)に出てきた大半のアプリよりも、日本のJavaアプリのほうがレベルが高かったりしますから。

矢崎 ハドソンは、すでにAndroid向けにゲームを配信しています(関連記事)。日本のアプリメーカーも、感度の高いところは、続々とAndroidマーケットに出てくる可能性はあります。

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