このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

セキュリティの素朴な疑問を解く 第2回

Q&A形式でセキュリティの基礎を学ぼう

不審なメールはなぜ開いてはいけない?

2009年05月20日 09時00分更新

文● 遠藤 哲

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

スパムメール対策

 悪質なスパムメールから身を守るにはどうすればよいのだろうか。基本は「メールアドレスを見知らずの他人に教えない」ということである。

 スパムメールの送信者は、スパムを送るためにメールアドレスのリストを入手する。これには、Webページに記載されているメールアドレスを収集したり、懸賞を装って応募者のメールアドレスを取得したり、機械的にメールアドレスを生成するといった方法が使われる。

 そのためWebページはもちろん、ブログなどにメールアドレスを公開すると、たちまちスパムメールの送信先となるおそれがある。安易にメールアドレスを公開するのは控えたい

 次に魅力的な人気商品や高額商品があたる懸賞なども、実施しているところが信用できるかどうかを見極めなければならない。どんなに魅力的な商品があったとしても、信頼できない場合はメールアドレスを記入して応募してはいけない。特にスパムメールの脅威を実感できないと思われる子どもたちへの教育は学校任せにするのではなく、各家庭で保護者が確実に行なうべきだ。

 またメールアドレスもできるだけアルファベットのほかに数字や記号を含め、機械的に簡単に生成できないアドレスにすることもスパムメールを受け取らないポイントである。

 このようにメールアドレスを教える先を注意深く見ていけば、スパムメールの被害をかなり回避できるはずである。しかし、すでにスパムメールが何通も届いている状況では、メールアドレスを知られているので、基本的な対策は、セキュリティ対策ソフトをインストールしておくことと、受信したスパムメールは開かず削除することである。

 著名なセキュリティ対策ソフトはメールの添付ファイルのウイルスチェックのほか、個人情報保護機能などによりメールアドレスの流出を自動的にブロックするように高機能化されている。

 個人情報保護機能はセキュリティ対策ソフトをインストールしただけでは役に立たないので、守るべき情報を登録しなければならないことに留意してほしい。少々手間に感じるかもしれないが、この少しの手間がPCの安全を高めるので登録することをお勧めする。

 そして、受信したスパムメールは開かず削除することも肝要である。メールソフトには受信したメールや添付ファイルを自動的に表示する「プレビュー」という機能がある。このプレビュー機能の脆弱性を狙ったウイルスがたびたび登場することから、できる限りプレビューする前に、受信したメールのサブジェクトで判断してスパムメールの削除を心がけることが大切である。

図2 さまざまなスパムメールの対策

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード