仮想化というと、サーバー分野の話と思われがちだが、ユーザー側にも近づいてきている。
たとえばシンクライアントに代わって普及が見込まれるのが、Webブラウザーから利用できる仮想デスクトップ環境「WebTop(Web Desktop)」だ。Webブラウザーでの接続時にユーザー認証すると、管理者側が用意したデスクトップ環境がWebブラウザー上に再現される。ユーザーが勝手にアプリやツールを追加できないのでセキュリティー管理が容易だし、Web接続なら自宅など場所を選ばずに同一環境にアクセスできる。
仮想デスクトップへのOffice互換アプリ提供は世界初
そんな企業向けWebTopのひとつ「Startforce Enterprise」を提供するスタートフォースが、新たにWebTop上で動作するMicrosoft Office互換ソフトのオプションサービスを開始した。
従来はテキストエディター等、簡単な文書作成ソフトしか提供されていなかったが、ビジネス文書や表計算、プレゼンテーション資料などの作成・閲覧が可能となる。作成したファイルはユーザー単位でオンラインストレージに保存されるため、情報漏洩も防げるという(設定変更によりローカルに保存・出力も可能)。
提供されるオフィススイートは、「StarforceWriter」(Word互換)、「Startforce Spreadsheet」(Excel互換)、「Startforce Presentation」(PowerPoint互換)の3つ。WebTopへのOffice互換アプリケーションの提供は世界初だという(同社調べ)。いずれもキングソフトの「KINGSOFT Office 2010」相当で、同社では、「価格、パフォーマンス、互換性などを総合的に見て、キングソフトのOffice互換製品が最適と判断した」と選定の理由を説明する。
価格は月額制もしくは企業内導入が選択可能で、月額の場合、ユーザー数によって単価は変わるが100人以上の規模で2000円程度になる。月額契約の場合は、必要な時期に必要な人数分だけライセンス提供を受けることも可能なため、コスト削減の効果も期待できる。