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Excelでマスター「ビジネスデータ分析」実践の極意 第1回

Excelはデータベース活用ツールだ

2009年05月18日 09時00分更新

文● 住中光夫

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ビジネスデータ分析とは

 ビジネスデータ分析とは、多量に蓄積されたビジネスの生のデータをいろいろな角度から分析することで問題や課題を発見し、その対策を実務現場で実施する一連のビジネス活動のことです。


実務での悩み

「社内にある多量な販売データなどを分析し、それを元にした販売戦略を考えたいのだが、何から始めてどうすればいいかわからない」
「統計学の数式や公式を見ると、すぐに頭が痛くなる」
「データ分析といっても、難しい専門ソフトだと現場ではちょっとなぁ」


 ビジネスの多くの現場で、このような悩みはありませんか。


実務データを利用したビジネスデータ分析の実施

誰もが行なうビジネスデータ分析

 データ分析というと、難しい統計学が思い浮かび、自分が行なうことではないと思っている人も多いと思います。

 しかし、販売データなどの実務から得られる多量な生データを利用したビジネスデータ分析は、実は誰にでもできるのです。

 それには、ツールとしてExcelを利用します。Excelの“ピボットテーブル”機能を使えば、難解な数式も必要なく、何万件もの多量データをいとも簡単に集計・グラフ化して、データの分析とその裏にある要因や原因を見つけ出すことができます。

 しかし、ほとんどの人が、このピボットテーブルの考え方や機能を知りません。そのため、今日からすぐに多量なデータ分析ができるにも関わらず、その実践に手をつけていないのが現状です。


難しいのではなく「知らないだけ」

 ビジネスデータ分析は、難しいのではなく、その考え方や進め方を知らないだけです。これまでは、統計学の難しい数式を利用したものだけが紹介され、それを理解して利用できる人、あるいはQC(Quality Control、品質管理)活動などに関わった人だけが実践していました。

 しかし、ビジネス環境が厳しくなり、数字に強いビジネスの必要性が叫ばれている現在、Excelのように簡単ですぐに使えるツールも登場し、実務現場で誰もが行なうデータ分析が必要になってきました。


ビジネスデータ分析の利用のポイント

 統計学を利用したデータ分析は、統計的に全体の動向を分析したり予測したりするものでした。これはマスマーケティングの時代には十分通用しましたし、もちろん今日でも有効な手法です。

 しかし、多様化する現在においては、個々の事象をきめ細かく分析し、実務現場におけるワン・トゥ・ワン マーケティングとして、個別に対応できるビジネス活動が求められています。それが、多量な生データを利用したビジネスデータ分析なのです。

表 ビジネスデータ分析と統計学データ分析の比較


キーワード:OLAP(オーラップ)とは

 OLAPとは、On-Line Analytical Processingの略で、オンライン分析処理のことです。また、一般に多次元データベースを意味します。

 ユーザーが、オンラインで直接データベースを検索・集計し、多次元的にデータを分析し、問題点の発見や解決策を見つけるシステムをいいます。OLAPツールとは、その分析を行なうアプリケーションソフトの総称です。

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