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基礎から学ぶネットワーク構築 第3回

ITを支えるインフラを知ろう

サーバルームとバックボーンネットワークとは?

2009年05月13日 13時30分更新

文● ネットワークマガジン編集部

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SAN(Storage Area Network)とは?

 大量のサーバを管理する環境では、個別にHDDを搭載する代わりに、外部に置いた大容量のディスクアレイ装置と接続して統合管理する場合もある。このディスクアレイ装置とサーバ間のネットワークをSAN(Storage Area Network)と呼ぶ。

図2 SAN(Storage Area Network)

 サーバごとにHDDやディスクアレイ装置を搭載すると、各サーバごとに容量に余裕を持たせなければならないため、空き容量のムダが多くなる。加えて、あるサーバでHDDの容量が足りなくなった場合にも、他のサーバのHDDを充当するといったことができない。

 その点SANでは各サーバがディスクアレイ装置を共用するため、利用効率が上がる。また、ディスクアレイ装置とサーバを分離することで、サーバのハードウェアが故障した際にも、簡単に別のサーバに切り替えて運用を続けられる。この仕組みは、仮想化と組み合わせることで、仮想サーバを稼動させたままで、物理サーバ間を移動させるなど、より柔軟な運用が行なえる。

 SANで用いられるネットワーク技術に「ファイバチャネル(FC)」がある。FCは高速で遅延のないブロック転送を行なえる伝送技術で、アドレス管理やセキュリティ、QoSなどの仕組みがあらかじめプロトコルに盛り込まれているのも特徴的だ。この名称は技術の総称であり、物理層を光ファイバに限定するものではない。実際、銅線によるファイバチャネルの構築も可能だ。現在、8Gbpsまでの転送速度に対応した製品が販売されている。

 このほか、ファイバチャネルよりも安価にSANを構築できる規格「iSCSI」も登場している。iSCSIはギガビットEthernetなどのTCP/IPネットワーク上でSCSIプロトコルのデータをやり取りするものだ。現在は多くの製品がギガビットEthernetを用いているため、転送速度は1Gbpsとなっている。

(次ページ、「コアスイッチ」に続く)


 

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