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勝手広告・神酒大亮監督が語る「もっと勝手に!」

2009年05月06日 12時00分更新

文● ワクテカ編集部

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これから勝手にやりたいことは

―― 現在、株式会社ムービーインパクトの活動の一環として、俳優や詩人、写真家といった様々なアーティストを巻き込んだプロジェクト「θproject」(シータプロジェクト)を運営されていますよね。こちらは勝手広告と関係のあるプロジェクトなんですか?

神酒 広島市立大学の卒業生を集め、2000年に結成したグループです。元々一緒に活動していた仲間が卒業してバラバラになるのはもったいないというので、名前をつけてグループ化しているんです。

 1つの映像を作るにはもちろん監督だけではなく、俳優さんや音楽を作る人など、様々な才能が必要なんですよね。2002年に東京に出てきて、2階建ての一軒家を借りて5人のメンバーで住みはじめたのが始まりですね。そこからイベントをやったりしながら今に至るという感じです。

 卒業生ということで集まっているので、本当にメンバーも色々です。NHK「えいごであそぼ」のアニメーションを作っているチームがいたり、今フランスで公演をしている俳優がいたり、中学校で教諭を勤めている人がいたり。(笑)

口から新聞を出す「新聞ロボ」。段ボールで作ったお手製のもの

 今度asahi.comがYouTubeに作っている公式チャンネル「Channel ASAHI」でこのロボット(写真)が出演しているんです。

 口から新聞が出てくる「新聞ロボ」というキャラクターなんですけど、そこに赤十字の勝手広告に出てくる男の子が出てくるんですね。その子もこのプロジェクトに所属しているメンバーの子どもなんですよ。

 今はまだ投稿動画というグラウンド自体、著作権や肖像権の関係でメディアにコンテンツを出しづらいところがあると思うんですね。それに比べてぼくのCMは出演とか楽曲提供が仲間内で成り立っているので、著作権や肖像権はしっかりクリアされているんです。だからクライアント側としても「使いやすい」わけです。


―― 今後、神酒さんが勝手広告を通じてやってみたいことはありますか? また映画監督としての活動についてもお伺いしたいのですが。

神酒 やっていきたいのは「勝手広告上映会」です。全国の新進気鋭のクリエイターさんを集めて、みんなの勝手広告を上映するんです。そして今後の勝手広告の展望を勝手に熱く語り合うと。それこそもう勝手に盛り上がりたいですね(笑)。

勝手広告上映会 第1回は4月27日(月)に渋谷UPLINKで開催された

 映画は「サイクロプスの涙」という長編作品が完成したので、手当たり次第に映画祭に出品しています。配給が決まればいいんですが、決まらなくても全国の小さな映画館を回ります。本当はこうした上映事情について、もっと活発に議論が交わされるべきなんですよね。

 月に1回、そこの河川敷に作り手たちが集まって議論を交わす飲み会「エコ飲み」を開いているんですが、なかなか突っ込んだ話にならないんですよね。もっとそういう場を設けられる主催者が欲しいところです(笑)

経歴紹介――神酒大亮

 1975年、熊本県生まれの映像作家。広告制作会社、株式会社ムービーインパクト代表。現代写実絵画を学び、広島市立大学大学院芸術学研究科修了後、東京を拠点に活動中。

 映画監督としての代表作は「Blue Moon Cafe」や「fala」、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭正式招待上映作品となった「Mine」などの映画作品がある。


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