テスト環境
今回のテスト環境は以下のとおり。比較対象は、予想されるパフォーマンスが近い、HD 4830およびHD 4850、下位モデルとなるATI Radeon HD 4670(以下、HD 4670)のリファンレスカードを用意した。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core 2 Duo E8500」(3.16GHz) |
マザーボード | ASUSTeK「Rampage Formula」(Intel X48 Express/BIOS 0701) |
メモリー | PC2-6400 DDR SDRAM 2GB×2(5-5-5-15) |
ビデオカード | ATI Radeon HD 4770リファレンスカード(グラフィックスメモリ 512MB) ATI Radeon HD 4670リファレンスカード(グラフィックスメモリ 512MB) ATI Radeon HD 4830リファレンスカード(グラフィックスメモリ 512MB) Sapphire「SAPPHIRE HD 4850 512MB GDDR3 PCIE」(Radeon HD 4850/512MB) |
HDD | HGST「HDP725050GLA360」(500GB Serial ATA) |
電源 | Corsair CMPSU-750TXJP (定格750W) |
OS | Windows Vista Ultimate SP1 (32bit) |
チップセットドライバ | Intel Chipset Software 9.0.0.1008 |
グラフィックドライバ | ATI Radeon HD 4770:8.60-090316a1-078298C ATI Radeon HD 4770以外:ATI Catalyst 9.4 |
HD 4770はAMDから配布されたレビューア用のドライバを使用し、他のATI RadeonカードはATI Catalyst 9.4を使用している。これは、HD 4770用ドライバでは、HD 4850もHD 4830も認識できなかったためだ。
以下、とくに断りのない限り、グラフィックスカード名ではなくGPU名で表記を行なう。
HD 4850を超えた!?
HD 4770の実力をチェック
3DMark Vantage
早速ベンチマークスコアをチェックしていこう。
グラフ1は、「3DMark Vantage」の結果である。HD 4770はHD 4670とはまるで別次元の性能を発揮し、HD 4830を確実に上回るスコアを残している。HD 4850に対しては一歩及ばないものの、かなり迫っている。AMDが、HD 4850に迫るとしたのは誇張ではないようだ。
3DMark VantageのFeature Testの結果を見ていこう。結果はすべて「Performance」のスコアとなっている。
さてグラフ2は「Texture Fill」の結果だ。このテストでは小さなテクスチャを重ね描きするもの。このテストで見えてくるのは、テクスチャユニット数やROPユニットによるグラフィックスメモリへの書き込み性能だ。単位はGigaTEXELS/s(ギガテクセル/秒)でスコアが高いほど高性能となる。
HD 4770のROPユニット数はHD 4830と同数だが、メモリ性能で勝るHD 4770が大きく上回っている。そしてHD 4850にあと一歩及ばなかったのは、メモリバス幅が128bitというハンデのためだろう。
続いては、カラーピクセルを画面いっぱいに連続して描き出す「Color Fill」の結果がグラフ3だ。このテストは、シェーダエンジンを使わないため、Texture Fillよりもメモリ性能が反映されやすい。こちらも単位は単位はGigaTEXELS/s(ギガテクセル/秒)
HD 4770は、HD 4830よりもわずかに劣る結果となった。やはりメモリバス幅の狭さが露呈していると言えよう。
グラグ4は「Parallax Occlusion Mappoing」の結果だが、これはピクセルシェーダに高い負荷をかけるテストで、GPU性能を総合的に見るもの。単位はfpsだ。
3DMark Vantageの総合スコアでHD 4850に迫る結果を残したHD 4770だが、このテストではHD 4850と肩を並べ、実際のゲームでもいい勝負をする可能性は高そうだ。
次は「GPU Cloth」。このテストは12本の揺らぐ旗を物理シミュレーションするテスト。主にバーテックス(頂点)シェーダの性能を見るため、GPUクロックが高い製品が有利になる傾向がある。こちらも単位はfpsだ。
GPUクロックが750MHzのHD 4770がHD 4850を上回り、ここまでかなり遅れをとっていた、HD 4670も高いGPUクロックを生かしてHD 4830に迫っている。無論、実際にはただ旗が揺らめいているようなゲームは無いものの、DirectX9.0や8.0といった比較的バーテックスシェーダ性能が重視されるゲームでは、この性能が反映されることもある。
次に「GPU Particles」を見てみよう。これは大量のパーティクル(粒子)をバラまき、透明な地面や建造物に当てることで物体の陰影を表示するものだ。単位はfps。
こちらもバーテックシェーダが中心となるが、ジオメトリシェーダの性能も重要となってくる。よってストリーミングプロセッサ数×GPUクロックによる総合性能が反映されやすい。
ストリーミングプロセッサ数で劣るが、高いGPUクロックのおかげでHD 4770はHD4850と肩を並べている。GPU Clothと同様にバーテックスシェーダのウェイトが高いシーンなら、HD 4770はHD 4850と同等の性能と見てよさそうだ。
Featureテストの最後は「Perlin Noise」。これは3つの異なる周波数にてノイズを可視化し、RGBをそれぞれ割り当ててスクロールするというもの。このテストでは、主に演算能力が重視され、ピクセルシェーダ性能が反映されるため、「GPU Cloth」のようにストリーミングプロセッサ数とGPUクロックによってある程度の優劣が決まる。
その結果を見てみると、HD 4770はHD 4850を超え、ピクセルシェーダに比重を置くゲームでも、HD 4850を超える可能性を持っていることが伺える。もっともビデオカードの性能はグラフィックスメモリへの書き出しも大きなウェイトを占めているため、これだけで総合性能が決まるわけではない。
(次ページへ続く)
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